大島海峡でリーフチェック

リーフチェッを行う参加者たち(瀬戸内町管鈍沖)=日本自然保護協会提供

サンゴ被度「非常に良好」
海を守る会、日本自然保護協

 地元のダイビング業者など17団体でつくる瀬戸内町海を守る会(武夏樹会長)と日本自然保護協会は13、14日、サンゴ礁の健康度を調査するリーフチェックを奄美大島南部の大島海峡5か所で行った。いずれの場所も被度は高く、一部ではサンゴの回復もみられるなど、概ね「非常に良好」な状態だった。

 調査は2日間。瀬戸内町の管鈍沖、西古見沖、油井小島東沖、天皇浜沖、大和浜沖の5か所で実施。同会会員5業者と専門家らが参加し、サンゴ被度や生息する魚種などを調べた。

 生きたサンゴが海底を覆う割合「被度」は、管鈍(深場)54・4%、西古見58・8%、天皇浜58・1%などと、前年と比べて多少の誤差はあったものの総じて良好な状態で推移していた。管鈍、西古見では、2016年の白化現象で死滅したとみられるテーブル状のサンゴに、新たなサンゴの再生もみられた。同保護協会の安部真理子主任は「軒並み50%を超えるなど、沖縄と比べても被度は非常に高い状態にある。大変良好なサンゴ礁だ」と評価した。

 魚種では、チョウチョウウオ、クマノミ、ブダイのほか、シャコガイ、ガンガゼなどを確認した。サンゴはテーブル状、枝状のミドリイシを占有種に、キクメイシ、アザミサンゴ、ノウサンゴなどが複数でみられ、管鈍ではソフトコーラルも確認した。

 一方、油井小島東と大和浜では、サンゴを覆って死滅させるとされるカリヌラカイメンと呼ばれるカイメンが数か所でみられた。安部主任は「インド洋や太平洋、南西諸島などで広がる種で、まだ現象も把握できておらず影響もわかっていない。今後も注視したい」と話した。

 武会長は「変わらず良い状態が続いているという印象」と述べ、「これから海はシーズンに入り、人流の増加も見込まれる。リーフには岩に見えるサンゴ礁も多い。歩く際は足元にも気を付けてほしい」などと呼び掛けている。