財務省よろず支援第1弾

財務省の取り組みについて語る大江賢造氏(24日、奄美市役所会議室)

民間資金活用など学ぶ
奄美群島活性化応援セミナー

財務省理財局と奄美市共催の「奄美群島活性化応援セミナー」が24日、奄美市役所会議室であった。離島の活性化や課題解決をテーマに3氏が登壇、離島におけるPFI(民間資金を活用した社会資本整備)の活用事例や観光活性化のヒントなどが紹介された。自治体の首長、財務担当者、金融・経済関係者など約150人(オンライン含む)が出席、さまざまな角度から実例を学んだ。

財務省は、財政融資資金地方資金の運用にあたって「財務本省理財局・地域課題解決よろず支援」制度を創設、4月から運用を開始した。各地の財務局が行っているセミナーを通じた地方公共団体への支援をサポートする。

具体的には、セミナーの開催状況をデータベース化し共有、離島の課題や過疎地振興など全国共通のテーマについては、本省が積極的な支援を行うもの。同活性化応援セミナーは、支援第1弾として開催された。

企画した同省財務局計画官の大江賢造氏(47)は、東京奄美会会長を務めた龍郷町出身の修造氏の長男。「理財局のネットワークを活用し、奄美群島全体の課題に取り組む。離島航路の維持、老朽化した施設の更新など本省が主体的に支援する」とあいさつした。

官民連携支援センター(㈱民間資金等活用事業推進機構)の中嶋善浩氏は「離島におけるPFIの活用について」講演、事例を紹介した。企画・計画を自治体が行い、資金調達や設計・運営を民間事業者が担うことで、「財政負担の平準化が図れることが最大のメリット」と解説した。

㈱大和総研主任研究員の鈴木文彦氏は「公民連携で描く観光活性化のヒント」と題し、地域所得の向上を図るならマーケットを域外に絞る観光戦略が必要と論じた。その上で、「Wi‐Fiの増強とキャッシュレスが命綱。移動も買い物もスマホで完結できる態勢が必要」と話した。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)共有船舶建造支援部参与の斎藤徳篤(よしたか)氏は、同機構が最大90%分担して整備する離島航路のフェリーなどの「船舶共有建造制度」について説明した。

閉会あいさつした安田壮平奄美市長は「自治体運営も資金調達、予算の確保が重要となる。民間には優れた経営感覚で公益的事業、公共事業に参入してもらいたい」と話した。