友好深化へ支援の輪

義援金を竹田町長に託す町議員と菊次郎ミュージカル保護者会メンバー

龍郷町議会と菊次郎M保護者会
宜蘭市、台湾被災地へ義援金

 龍郷町議会と菊次郎ミュージカル保護者会は7日、台湾東部沖地震で大きな被害が出ている友好関係にある都市・宜蘭(イーラン)県宜蘭市での被災地復興に役立ててもらうため、議員や会員から集めた義援金を龍郷町に託した。

 龍郷町は、龍郷出身の西郷隆盛の息子・菊次郎が初代宜蘭庁長を務めたことを縁に、2018年に宜蘭市などと交流宣言を結んだ。21年からは、菊次郎の生涯を描いた青少年ミュージカル「KIKUJIRO」を上演し、宜蘭市には団員らを派遣し交流する計画なども進めていた。

 議会は震災の一報を受け、いち早く全議員で相談し義援金を募った。32人を擁する保護者会は、グッズの売り上げの一部を充てた他、団員の中高生らが寄付を募り支援の輪を広げた。

 贈呈式には、前田豊成議長や圓山和昭保護者会会長ら4人が町長室を訪問。目録を受け取った竹田泰典町長は「皆さんの心温かい気持ちをしっかりと伝えたい」と感謝した。

 前田議長は「(宜蘭市は)昨年も議員5人が視察した。助け合いを通して菊次郎を見直すきっかけになり、友好関係がさらに深まれば」と話し、圓山会長は「舞台を演じながら、子どもたちもいつの間にか菊次郎が人生の目標になっている。(支援も)まず保護者がくみ取りながら子どもに伝えることが大事。早い復旧に期待したい」と願った。

 町によると、震源地となった花蓮県に隣接する宜蘭市では一部インフラなどで被害が確認されている。同町は地震が発生した翌日の4月4日から役場とりゅうがく館に義援金箱を設置。現在も支援を呼び掛けている。