徳之島地域 土砂流出防止対策連絡協

合同パトや諸啓発活動を継続へ。徳之島地域土砂流出防止対策連絡協議会総会=22日、徳之島町

合同パトや啓発活動継続強化
「“目に見える形”で取り組みを」

 【徳之島】徳之島地域土砂流出防止対策連絡協議会(会長・八木修治県徳之島事務所長)の2024年度総会が22日、同徳之島事務所会議室であった。県や3町など関係機関・団体が連携し、各種開発工事や営農などに伴う河川や海域への赤土など土砂流出防止合同パトロール、諸啓発活動など事業を継続強化していく。

 県徳之島事務所総務課(事務局)など関係各課、徳之島3町農地行政、建設業協会、JAなど関係機関・団体の代表ら約20人が出席。八木会長は開会あいさつで「非常に豊かな自然をしっかりと後世に引き継ぐため、行政・事業者・住民が一体となって土砂流出防止対策の取り組みを一層進める必要がある。当協議会の果たす役割はますます重要になっている」などと連携協力を求めた。

 協議では全4議案を承認した。24年度活動計画では、「同地域土砂流出防止強化月間」(6月)における啓発活動、啓発用物品(ポロシャツやステッカー)製作、広告紙への広報記事掲載、優良土砂流出防止実施耕作者の表彰、合同パトロール及び検討会(25年2月、天城町内対象)などを継続する。

 県及び各町行政単位の活動も報告。県徳之島事務所の農業普及課は、耕作中の表土流出防止対策に製糖工場から排出されるハカマ(サトウキビ葉柄)のブロック」敷設、バレイショ後作としての飼料作物実証などを報告。農業農村整備課は、24年度畑地帯総合整備事業を島内23地区で計画し「流出防止対策方針等に基づき細心の注意を払って実施」。建設課は、急傾斜崩壊対策工事など4工区を計画し「法(のり)面工を施工しない箇所は仮吹き付けやブルーシートで被覆」など対策も講じる。

 徳之島・天城・伊仙の各町も防災行政無線での放送、ステッカーを貼った車両でのパトロールを実施するとともに今年度も継続。天城町は「台風・大雨時」最中の町内パトロール(写真)も報告した。

 その他意見で地元町担当者からは「(同日朝にかけた雨で)河川がすごく濁っていた。公共事業は仮設沈砂池の設置や、多面的機能支払い交付金事業による沈砂池の清掃、水路の泥上げなどを実施しているが、世界自然遺産地域にあって(現状は)非常に悲しい気持ちになる」。将来を担う子どもたちには「具体的に〝目に見える形〟での啓発取り組みも必要」など提言もあった。