喜界で多発生ほ場

サトウキビ黒穂病
県が注意報、「防除対策重要」

 県は21日、サトウキビの重要病害「黒穂病(くろほびょう)」が奄美地域の株出し栽培を中心に一部の地域で発生、今後、被害の拡大が懸念されるとして病害虫発生予察注意報(第1号)を発出した。喜界島では多発生ほ場が確認された。

 病害虫防除所によると、サトウキビ黒穂病の蔓延(まんえん)を防ぐには、「現在の時期の防除対策が重要」。未発生地域では、苗による病原菌の持ち込みを防ぐため「来歴を確認して使用」を呼び掛けている。

 注意報の対象地域は熊毛、奄美地域。発表によると、黒穂病の発生が確認されたのは今月12日に知名町(沖永良部島)で。14~17日に発生確認地区周辺の調査を行ったところ、発生ほ場率は3・5%(発生面積26・5㌶)。同じ島内の和泊町でも発生が確認された。

 今月9~17日に実施した熊毛・奄美地域(沖永良部島を除く)の調査ほ場における発生ほ場率は、奄美大島0・7%、喜界島22・0%及び徳之島1・5%だった。このうち喜界町では多発生ほ場(発病株率4・0~6・0%)が確認されており、町は防災行政無線や町ホームページを通して注意喚起。この中では「現在、島内のいたる地域のサトウキビ畑で黒穂病の発生が確認されている。発生が拡大する恐れがあり、畑の確認を」と呼び掛けるとともに、▽感染したサトウキビは、胞子を飛ばさないために梢頭(しょうとう)部を袋で覆い株を抜き取った後、焼却処分▽感染が確認されたほ場からの採苗は絶対にしない―を求めている。

 病害虫防除所によると、発生生態及び被害として①罹病(りびょう)茎は健全茎よりも茎が細く、節間が伸びて徒長し、先端部は長い鞭状物(いわゆる黒穂)を抽出する②病原菌は糸状菌(カビ)であり、胞子が風や雨水で分散し、地上芽や地下芽に感染する③株出し回数が多くなるほど感染リスクは高まる④罹病株から採苗すると植え付け後に発病し、周辺ほ場へも広がる―がある。