「奄美デー」に出身者集い観戦

花束贈呈役を務めた辻美里さん(左)と金子きよらさん(右)。円内は、(左から)始球式に臨んだ奥輝人議長、金子さん、辻さん、コクトくん

ベイスターズに声援を送る奄美出身者たち。円内は奄美市外局番の背番号

DeNA本拠地・浜スタで
奥議長が始球式、大島紬あでやかに

 【東京】奄美市は19日、プロ野球の横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアム(中日ドラゴンズとの8回戦)で恒例の「奄美デー」を開催した。奄美からやって来た参加者と関東在住の出身者合わせ約300人が満員(3万3176人)の大観衆に交じって熱戦を見守っていた。

 デーゲームに先立ち、選手への花束贈呈があり、続いて奥輝人奄美市議会議長(62)が始球式のマウンドへ。「奄美群島と横浜がさらに親密になってほしい」との願いを込めて、渾身(こんしん)の白球を投じた。ワンバウンドにも大きな拍手でスタジアムを沸かせていた。

 花束贈呈の大役を果たしたのは「2023―24紬美人」の金子きよらさん(25)と唄者の辻美里さん(25)。金子さんは9日に101歳で旅立った祖母の大島紬を、辻さんは成人式に作った大島紬をそれぞれあでやかに着こなし、選手の活躍を花に託した。2人はその後、奄美出身者らが陣取る内野応援席に加わった。

 球場敷地内では、奄美市ののぼりが掲げられ、観光案内コーナーが設置された。うちわやパンフレットで奄美の情報が発信され、ふるさと納税も案内されていた。徳之島町出身で神奈川県横浜市の会社経営者、平田修さん(68)は背番号「0997」のユニフォームでの観戦。「奄美の市外局番なんですよ」と自慢げに披露し、周囲の笑顔を誘っていた。大型スクリーンなどでも「奄美デー」と表示され、ベイスターズのチームカラーのブルーと、奄美ブルーが寄り添うように彩っていた。

 喜界島出身の元勤務先上司に誘われ、初観戦した千葉県成田市在住で青森県十和田市出身の内迫奈津子さん(40歳代)は「奄美の人たちは、とても明るく一緒に野球観戦できて楽しかったです。最高でした」と瞳を輝かせ「いつか奄美へ行ってみたいですね」と南の島への憧れを口にしていた。

 曇り空から時折雨が落ちる中、必死の大声援を送るもDeNAは2―3で惜敗。それでも奄美出身者たちは、皆満足そうにスタジアムを後にしていた。