32年目にして中学生のみ対象とした天城町教委「教科セミナー」の開講式=25日、同町役場ホール
【徳之島】学力向上対策の2024年度「天城町教科セミナー」(町教育委員会主催)の開講式が25日、同町役場ユイの里ホールであった。32年目の今年は小学児童(5・6年生)の受け付けは「休止」され、町内3中学校の生徒37人が受講登録。受講生らは関係者の期待と激励を胸に、志望校合格など目標達成へ決意を示した。
同教科セミナーは、1989年の「教育文化振興の町」宣言に基づく具体策の一つ。児童生徒らに学習する場を提供して主体的に学び続ける習慣の育成を目指し、92年度から開講。学校週5日制移行の「ゆとり教育」時代の真っただ中にあって、いわば中央突破的に町教委主催の公設学習塾的な要素を帯び、県内外から注目された。
32年目の今年は中学生のみが対象となる。指導教科は国語、数学、英語(各50分間授業)。土曜日の午前中に役場庁舎会議室などを中心に10月26日まで計20回を計画。講師は今年も町立小中の現役教師や町教委指導主事ら計11人が担当する。
開講式には受講生や保護者など含め各学校長ら関係者35人が出席した。榮啓一郎町教育長職務代理者は「〝鉄は熱いうちに打て〟で今が絶好の時期。自ら主体的に学び続ける習慣を身に付け、講師の指導助言や友達と助け合うことで自らの課題を解決する力を。目標に向かって全力投球すれば努力は報われる」などと激励した。
講師への委嘱状交付に続き、講師陣を代表して川﨑隆太朗さん(兼久小教諭)が「参加する第一歩のエネルギーよりも継続が難しいが、まずは会場に来る習慣を。学校の授業よりも緩い雰囲気で分からないことは何でも質問し、志望校合格を」とエールを送った。
受講生代表あいさつでは松山翔太郎さん(北中3年)が「次の統一模試で志望校のB判定を目指したい。学年席次の上位3人も抜けるように頑張ります」と自己の目標を具体的に示し、抱負を述べた。
同教科セミナーは町内の小学5年~中学3年生までを対象に、これまで単年度受講者数は約120人に上った。初の「小学生の募集休止」について町教委の担当者は「ここ数年間で受講希望者が減少傾向にあり、二極分化の傾向がうかがえる中学生の学力向上に重点を置くため」と話した。