新たな奄振計画策定

知事「振興・発展に一層全力」
県議会開会

 県議会6月定例会は27日開会した。会期は6月18日までの23日間。2024年度一般会計補正予算や条例改正など14議案、専決処分3件を上程後、塩田康一知事が提案理由を説明。改正奄振法の成立を受けて、国が策定した奄美群島振興開発基本方針などを踏まえ、速やかに新たな奄美群島振興開発計画を策定するとした。

 新たな計画について知事は「国や市町村等と連携して着実な事業の推進に努め、我が国の地域振興の先進地域となるよう、奄美群島の振興・発展に一層全力を尽くす」と述べた。

 知事は26日に奄美市であった県総合防災訓練について報告。「今回の訓練においては、能登半島地震も踏まえ、住民による避難所運営や広域搬送拠点臨時医療施設の設置などに取り組むとともに、新たに、島外からDMATや資機材の輸送などに取り組んだ」とし、今後とも住民への適時・適切な情報伝達や円滑な避難が図られるよう、市町村や関係機関と連携に努めるとした。

 観光の「稼ぐ力」の向上では、経済社会活動が活発化する中で徐々に回復していることを説明。国内からの誘客については、「さまざまな機会を活用して『南の宝箱 鹿児島』の宝物を積極的に情報発信し、観光客誘致に取り組むこととしており、直近では先月の1か月間、JRグループと連携し、全国のJR主要駅約800駅に『南の宝箱 鹿児島』のPRポスターを掲出するなど、集中的な宣伝を行った」と述べた。

 脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生に関する説明もあった。温室効果ガス排出削減と経済成長の両立を図るGX(グリーントランスフォーメーション)推進について、先月2日に、飲料用アミノ酸メーカーや畜産関係団体・事業者などと連携協定を締結したと報告。さまざまな関係者が一体となって、栄養吸収率を高める飲料用アミノ酸を活用し、肥育期間の短縮等を図ることで、牛から排出される温室効果ガスの削減と、生産コストの低減・生産性の向上につなげる。知事は「こうした取り組みにより、本県の温室効果ガス排出量の約2割を占める畜産業におけるGXを推進していく」との考えを示した。

 上程された補正予算の総額は、一般会計で28億700万円。新興感染症発生時に備えた医療機関における施設整備等の支援に必要な経費が盛り込まれている。こうした感染症対策の推進では、今年3月に改定した県感染症予防計画に基づき、病床確保、発熱外来などの感染症対応に関する協定を、9月末をめどに医療機関などと締結する方針。

 30日に代表質問、6月3~6日に一般質問がある。