群島産水産物 消費者と飲食店マッチングへ

「島ぃゆグルメ定着事業」の参加店舗募集をPRする県大島支庁林務水産課と事業委託先の㈱しーま

デジタル版リーフレットやPR資材作製
6月23日まで 参加店舗募集

 奄美群島産の水産物の観光資源化へご当地グルメ(島ぃゆグルメ)創出のための事業が2022~23年度進められたが、3年目の24年度は年間を通した取り組みで事業の定着を目指す。来島する観光客など消費者と飲食店のマッチングへ、「島ぃゆ(地魚)グルメ」提供の群島内店舗(飲食店のジャンルは問わず)を紹介するデジタル版リーフレットやPR資材作製を計画、参加店舗を募集している。

 県大島支庁林務水産課によると、同支庁の地域振興事業で実施。㈱しーまに業務委託している。過去2年間はフェスタとして2か月間限定のイベントだった。今年度からは、群島産水産物のみを使用した魚介料理を群島内外に広く定着させ、島ぃゆの消費拡大を目的とした事業(「島ぃゆグルメの定着による奄美の地魚消費拡大事業」)を実施することになった。

 事業により「島ぃゆグルメ」提供店舗の情報発信・誘客促進、提供店舗の拡充などにより、他店舗・一般家庭への波及、島ぃゆ消費拡大によって漁業者の収益性向上を目指す。そのための方法としてマッチング・PR資材作製があり、来店の動機付けとなる「デジタル版島ぃゆグルメマップ」、来店者へのメニュー選択の動機付けとなる「提供店舗ステッカー」を掲げている。参加店舗について同課の技術主幹兼水産係長の宍道弘敏(ししどうひろとし)さん、しーま編集部のロレンス奈苗さんは「定番の和食だけでなく洋食や中華とジャンルは問わない。現在店舗で提供しているレギュラーメニューだけでなく、新しいメニューも紹介できる。デジタル版にすることで更新によって途中から参加することも可能。飲食店にとっては他店舗のメニューによりアイデアや発想を参考にする機会にもなる」と語る。

 参加店舗の募集期間は6月23日まで。群島内に所在する飲食店のうち、「島ぃゆグルメ」を原則通年提供可能(すでに提供している)な店舗が対象。応募用ホームページ(https://forms.gle/UXUMND89SmMuhZoJA)から必要事項を入力の上、応募する。デジタル版リーフレットは7月中旬頃完成を予定している。問い合わせは㈱しーま電話0997・69・4681まで。

 これまでの事業によるアンケート調査で群島内水産物へのニーズの高さ(「外食時に群島産水産物を食べたい」22年98%)は確認されているものの、提供飲食店は消費者には十分認知されていない。観光客などが地魚メニューを選択したきっかけは、「店内で」(48%)、「島ぃゆグルメマップを見て」(14%)。「島ぃゆグルメ」としての認知度向上と消費者と飲食店をつなぐツールの必要性が課題となっていることから、デジタル版リーフレット作成など年間を通した魅力発信に取り組むことになった。提供店舗は、23年目標は37店舗だったが、定着化事業により27年には50店舗へ拡充を図る。