モズク浜売り初日にぎわう

2年ぶりの浜売りモズクを笑顔で手にする客(1日、宇検村平田漁港)

島内各地から客、まとめ買いも
宇検村平田漁港 焼内湾の養殖場で収穫

 宇検村平田(へだ)漁港で1日、最盛期を迎えた養殖モズクの浜売り(即売会)が始まった。開催は2年ぶり。焼内湾の養殖場で収穫されたばかりの旬の味覚を求め、島内各地から客が訪れた。贈答用にまとめ買いする人も多く、午後5時頃まで港のにぎわいは続いた。

 同村のモズク養殖は2000年頃にいったん途絶えたが、有志らによって結成された「やけうち水産」によって20年ぶりに復活。現在は同村漁協代表理事組合長の前田尚登(ひさと)さん(68)が代表となり、一人で運営に当たっている。

 この日販売されたのは、5月31日に収穫した1・65㌧。海水で洗い、細かいごみを取り除く作業を約30人がかりで行い準備した。

 販売開始の午前9時に、船で直接漁港に乗り付けた宇検集落の津田正亮(まさあき)さん(79)は13㌔をまとめ買い。「8割は知り合いに配る」と話した。

 奄美市住用町から訪れた前山大輝さん(43)は「22年に浜売りで買い求めた。すごくおいしかった。再開すると聞き駆け付けた。本土のきょうだいへの贈答用にする」と、買い求めた18㌔でクーラーボックスをいっぱいにしていた。

 前田さんによると、収穫作業は2日までの3日間を予定、収量4~5㌧を見込んでいるという。3㌧は生モズクでの販売を行い、残りは同村の観光交流施設「ケンムンの館」で冷凍したものを通年販売する。

 前田さんは「今年は予想以上に出来がよく収量も増えた。ただ、一人でやっているため、施設の3分の1しか活用できていない。村の産業として絶やすわけにはいかない。継承する人が現れれば技術を伝えていきたい」と思いを語った。

 2日の浜売りは午前9時~午後5時。1日に収穫した1・65㌧が用意される。