信州下諏訪でシマ唄響く

奄美伝承のシマ唄が長野県下諏訪町の住民たちを魅了した=提供写真=

昨年末、瀬戸内町で木遣り師・小松直人さんによる御柱祭の神事が初披露された(2023年12月29日、きゅら島交流館)

鎌田愛人町長(右)を表敬訪問した(左から)重山こずえさん、永井しずのさん、白井千智さん(5日、瀬戸内町古仁屋)

特産品販売など交流深める
唄者の永井さんら、瀬戸内町役場で町長に報告

長野県下諏訪町で5月26日、「奄美大島島唄ライブ」が開かれ、出演した唄者の永井しずのさん(64)、奄美の特産品を販売した重山こずえさん(66)らが5日、瀬戸内町役場を表敬訪問した。昨年暮れには同町きゅら島交流館で、諏訪大社の伝統行事で歌う「木遣り」の公演が開かれ、鎌田愛人町長は「双方にないものを埋め合うような、文化交流が続いていけば」と話した。

ライブは木遣り師で下諏訪観光案内所長を務める小松直人さんらが主催。2022年まで下諏訪町で奄美の物産販売を手掛けた、奄美市名瀬の白井千智さん(50)=神奈川県出身=との縁で小松さんは昨年末、奄美大島を初来島。諏訪大社「御柱祭」の御柱曳行(えいこう)で歌われる木遣りを瀬戸内町で披露し、永井さんらも参加。下諏訪町での「島唄ライブ」のきっかけとなった。

会場には約150人が来場し、永井さんは朝花節、黒だんど節、豊年節など奄美の代表シマ唄10曲を歌唱。宮坂徹下諏訪町長も参加し、「どなたも席を立つことなくシマ唄に聴き入ってくださった様子」(永井さん)の中、約2時間にわたり、トークを交えて進行した。

ライブ後は、瀬戸内町で大島紬の製品販売、工房を営む重山さんが、奄美特産の物販を展開。手作りの赤ちゃん用化粧まわしほか、きび酢やかりんとう、パッションフルーツなど出品し「大島紬に大変興味を持たれ、食品はほぼ完売」(重山さん)となった。

白井さんは、「下諏訪町で奄美の特産品を販売していた頃から、島の魅力を島の方が伝える必要性を感じていた。公演を機会に、今後も住民同士で交流を深めていただければ」と話した。