JAあまみ徳之島・パッションフルーツ収穫式

まるで〝パッションフル―ツのすだれ〟。「つり上げ式仕立て」の増収効果でも驚嘆させた=10日、徳之島町花徳
パッションフルーツ収穫式で関係者

「つり上げ式」で増収効果

【徳之島】JAあまみ徳之島地区果樹部会・熱帯果樹専門部会(米山寿八郎部会長・15戸)の2024年産「パッションフルーツ収穫式」が10日、徳之島町花徳であった。高品質出荷と有利販売によるJA共販目標4㌧、540万円を確認。慣行の「つり下げ仕立て」より着果数1・5~2倍が期待される「つり上げ仕立て」(つり上げ式側面仕立てとも)の実証が注目を集めた。

昨年から「つり上げ仕立て」栽培の実証にも取り組む徳之島町花徳の内山敏宗さん(78)の同フルーツハウス(約6㌃)であり、関係機関・団体合わせ約30人が参加した。傾けたきゅうりネットに下から斜め上へと等間隔で側枝を這(は)わせて着果させる新しい同仕立て法では、まるで〝すだれ状〟に同フルーツが着果。まずその光景で驚嘆させた。

同仕立て法を内山さんにアドバイスしたJAあまみ徳之島地区果樹部の貞山博一部会長(41)=天城町=は「2、3月の温度差で作物は作りにくい条件の中で、この仕立てでこれだけ出来た。仕立ての仕方で生産量も変わると認識」。開会あいさつでも「単収と所得向上が望める。販売先も高値で買い取ってもらえるよう開拓している。パッションフルーツの普及にもっと頑張っていこう」などとアピール。

同仕立て法の実証(他ほ場)にも取り組む県徳之島事務所農業普及課の松本徹課長は「パッションフルーツは、甘さと酸味に加えてベータカロチンなども高濃度に含有、抗酸化作用など効果も期待されている。消費も増え知名度、販売単価も上がってきている」。また「全国の約65%は鹿児島県産で占め、品質は他県産に負けないと自負。中身の良さで消費者に手に取ってもらえる果実の生産を」と協力を求めた。

同課技術専門員が「つり上げ仕立て」実証ほの着果量(12月定植10㌃単収)が4万2840果に対し、慣行(つり下げ)の3万2600果よりも1万240果も増えたことも報告。今後、果実分析で単収比較を行うという。

同JA徳之島事業本部(園芸課)側は共販率アップに期待。重点活動として安心安全な農産物供給への生産履歴の回収、定期的な出荷目ぞろえ会の実施、委託販売数量の定期的見直し、販売促進活動―なども挙げ周知した。

引き続き徳之島町農業管理施設(花徳)で出荷協議会も開催。出荷終了は7月末を見込んでいる。