ミカンコミバエの雄成虫を誘殺するトラップ(資料写真)
徳之島町で果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの誘殺や2例目となる幼虫確認から10日余り。18日現在、新たな確認はなく、関係行政機関のほか生産者も協力しての初動対応による効果が出ているとみられている。
県経営技術課の発表によると、同町下久志に設置した調査用トラップ(わな)で雄成虫3匹の誘殺を確認したのが今月7日。9月30日及び今月2日、下久志、徳和瀬に設置の同トラップでの誘殺確認を受け、今月3日までに調査用として採取した両地点周辺の寄主果実について、切開調査を行ったところ、グアバなどの果実で今年度2例目となる幼虫の寄生を確認したのが7日。以降、新たな誘殺・幼虫確認はなく、農林水産省植物防疫所が週まとめで発表している誘殺状況でも今月8~14日はゼロとなっている。
誘殺確認を受けて国、県及び町などが連携して、国のマニュアルに基づき初動対応(トラップ調査、誘殺板などによる防除、寄主果実の除去)が進められている。新たな誘殺・幼虫確認が出ていないことについて門司植物防疫所は「不要な寄主植物(果実)の除去など初動対応では生産者の協力もあり進められている。10日余りが経過したが、新たな確認はなく、初動対応の効果があったと言えるのではないか。ただ、これで大丈夫かどうかは、定期的なトラップ調査が続いており、現在の状況では判断できない」とした上で、地元の生産者や住民に対し「引き続き不要な寄主植物の除去、落下した果実を回収しビニール袋に入れて居住する地域のルールに基づいて適切に処理してほしい」と呼び掛けている。
なお、植防がまとめた沖縄県の誘殺状況では今月8~14日の週も15匹を誘殺。市町村別は石垣市3匹、八重山郡竹富町6匹、島尻郡座間味村6匹。那覇市の西方に位置する座間味島(慶良間諸島)では10月に入り誘殺が確認されており、前週の1~7日は11匹だった。