海における人身事故考えるシンポ

奄美の海における人身事故についてシンポジウムを開催=15日、県立大島病院

県立大島病院 関係機関の連携必要

 本格的な海洋レジャーシーズンを前に「奄美群島の海における人身事故を考える」シンポジウムが15日、奄美市名瀬の県立大島病院救命救急センター研修ホールでオンライン開催。Zoom、YouTubeで約70人が参加した。「奄美群島の海で悲しみを生まないために」をテーマに講演会を実施。消防機関、海上保安部、医療機関が過去の事例検討や情報共有を行い、水難事故の予防・対策につながることを共有した。

 シンポジウムは高間辰雄同センター長を座長に、同初期臨床研修医・平田悠哉氏、同センター・中村健太郎医長、奄美海上保安部・古場芳樹交通課長、大島地区消防本部・救命救急士の西栄一郎氏らが意見交換した。

 高間センター長は「世界自然遺産登録を控え、観光客増などで、海難事故を中心に発生する可能性がある。対策が取れたらと思い開催した」と趣旨を語った。

 平田医師はダイビング関連死、中村医長は溺水症例を挙げ「減圧障害に対する教育、予防指導の試み」「笠利地区を中心にライフセーバー導入し監視強化」など、それぞれ対策として掲げた。

 古場課長は「奄美の特徴として、遊泳中を除いてマリンレジャーでの死亡事故が多い」「事故防止啓発活動」の強化をアピールした。

 西氏は奄美の海洋生物外傷の実例を挙げ「観光客向けのリーフレットの作成と広報活動。救急隊、医師、看護師への啓もう」を提言した。

 高間センター長は「海洋安全は観光客だけでなく、島民にも周知徹底が必要。ピンポイントに絞って、効果的、抑制するものがつかめてきた」と述べ、「各関係機関が集約して連携することが大事」と話した。