「森と海の藝術楽校」開校

「森と海の藝術楽校」開校

「森と海の藝術楽校」でアートを楽しむ親子連れたち24日、天城町三京

持続可能な島、社会へ
天城町・山海留学にも期待
ワークショップ 家族連れなど楽しむ

 【徳之島】持続可能な島、社会へ「藝術・環境共育・福祉」が相互に絡み合い、子どもから高齢者までがクリエイティブに繋(つな)がりあう場所に―。徳之島のほぼ中央部に位置し、自然豊かな天城町三京の民家に24日、「森と海の藝術楽校(げいじゅつがっこう)in三京」(天城町主催)が開校。企画・運営の町地域おこし協力隊自らが講師の第1弾「藝術」のワークショップには家族連れなど約40人が参加して楽しんだ。

 天城町(町教委)によると、事業の根本的なねらいは、少子化に伴う入学者減で存続危機が懸念され出した同町立西阿木名小三京分校(児童数2人)など町内小規模校への「山海留学生」の誘導。山も海もある自然豊かな徳之島で、誰もが作品を生み出したり鑑賞したり、想像力・創造力を育む―など活動を通して地域的な特徴を全国に発信する。

 コンセプトの3本柱①「藝術」には五感を通し、平面、立体作品作りなどを楽しむ②「環境共育」にはパーマカルチャ(永続性・農業・文化)、昔ながらの有機農業やビオトープ(生物群集)づくり、山海自然観察会、自然体験キャンプ③「福祉」には障がいの有無に関わらず子どもから高齢者までの交流などを掲げている。

 講師には、地域おこし協力隊や自然保護監視員、環境専門家の大学名誉教授など実行委員会メンバーが協力。三京会場は同集落の豊村祐一区長(63)が自宅横のコテージを開放している。

 「藝術楽校」の第1弾では、同実行委員長で地域おこし協力隊の野瀬貴子さん(イラスト・デザイン芸術家)が現地で習得したオーストラリア先住民アボリジナル・アートの「ドット・ペインティング」(点描画)を指導。参加者たちはアボリジニたちの悲しい民族の歴史も学びながら、カラフルな点描画を楽しんだ。

 町教委によると、月1、2回のペースで「微生物の不思議、葉脈アートづくり」や「自然エネルギーでの電気づくり」、海の漂着物・シーグラスでアクセサリーづくり、無農薬有機栽培なども計画している。問い合わせは天城町教委・学校教育課(電話0997‐85‐5226)。