産業用ドローン薬剤散布

ショウガ生産組織の関心も集めた産業用ドローン(農薬散布)=6日朝、徳之島町花徳で

省力化・低コスト、オペレーター養成も
徳之島で進展 ショウガ生産団体も注目

 【徳之島】徳之島では産業用ドローン(無人機)による農薬散布など農作業の省力・効率化と、同オペレーター養成が進展している。6日には、ショウガの契約栽培に取り組む奄美地域生姜研究会(秋田洋一会長、徳之島地区会員約100人)の徳之島町花徳の実証ほ場で農薬散布作業を実演。生産農家たちは「少ない経費で効果的。大きな前進だ」など反応を示した。

 要請を受けたのは一般社団法人農林水産航空協会認定の九州・沖縄地区第1号として農薬散布作業の受託と併せて、担い手の産業用マルチオペレーター養成も島内で手掛けているジャパンアグリサービス㈱徳之島営業所(徳之島町亀津、松山栄作所長)。農水航空協認定の同オーターは既に男女6人を養成している。

 昨年以降の農薬散布受託品目はバレイショやサトウキビ、キャベツ栽培ほ場が主だった。病害虫防除など、より徹底した適期栽培管理が求められるショウガ生産者たちも熱視線を向けていた。

 同生姜研究会・徳之島地区の今期栽培面積は約30㌶。2005年7月に発足以降、安心安全な国産「中ショウガ」の卸売販売を手掛ける㈱永豊フーズ(岡山県津山市、江見和弘社長)と契約栽培。「黄金(くがね)生姜・奄美の宝」ブランドで出荷して今年で13年。12年度に「かごしまの農林水産物認証制度」(K‐GPA)認証。15年度には団体では南西諸島初(当時)とみられる「JGAP認証」のお墨付きも得ている。

 同会統括事務局長の福岡兵八郎さん(65)によると、ショウガは3・4月に植え付け、11・12月下旬に収穫する。この間、「時期を逃さない適期管理作業」。とりわけ「根茎腐敗病は〝人間のがん〟と同じで、早期に発見して薬剤防除しないと失敗する」。そして「病原菌は水で動く。雨後は畑には入らないが基本」。手防除したくても感染拡大のリスクが伴うのが悩み。

 ドローン散布だと、同リスクを回避。さらには10㌃当たりの手防除約1時間が、わずか約3分間。薬剤も約300㍑がわずか3㍑と1%にコストダウン。空中散布の受託料金(薬剤別)も▽10㌃当たり2千円▽20未満3千円▽移動料金(1回5百円)に抑えているのが魅力という。

 実演会には、島内の各支部会員農家ら約40人が参加した。秋田会長は「防除方法として良いと思う。先週の台風7号で被害が出て、根茎腐敗病もすでに発生。感染の拡大防止に防除をきちんとして欲しい」。福岡さんも「先手先手で適期栽培管理を行い、12月にはホームランが打てるように徹底して欲しい」と呼び掛けた。

 ジャパンアグリサービス㈱徳之島営業所は電話0997‐83‐1648(携帯電話080‐4449‐1648)。