観光スポットにぎわい取り戻す

観光スポットにぎわい取り戻す
顔を見せた青空の下、涼しげな様子でカヌーを楽しむ観光客ら
台風一過 奄美地方青空も

 21日に奄美地方北部南部を強風域に巻き込み最接近した台風10号は、同日中に沖縄本島を通過後、同地方から離れる形で北西寄りに進んだ。奄美群島内各地で台風の影響で強い風や大雨に見舞われた。けが人、停電、交通機関の乱れなどが発生したが、台風一過の22日は夏らしい青空が広がる場所も多かった。

 大島地区消防組合によると21日午前11時半ごろ、奄美市塩浜町の路上で女性(69)が強風にあおられた乗用車のドアにぶつかり転倒。倒れた際に左側頭部にけがを負った。知人女性が消防に通報し、病院に搬送された。

 九州電力㈱奄美配電事業所によると21日、奄美群島内で最大約7900戸が停電。同日6時19分には解消したという。

 台風接近の影響で21日の全ての便が欠航した奄美群島を離発着する空の便も、22日には運航を再開。海の便ではマルエーフェリーのフェリー波之上が21日夜鹿児島発の臨時便を運航(名瀬、那覇のみ寄港)。23日午前5時には同船上り臨時便が出港する予定。マリックスラインもクイーンコーラル8の23日午前7時那覇発上り便を運航する(与論島、沖永良部島条件付き)。

 晴れ間が見られた22日、奄美大島の観光スポットでは観光客らの姿も多くみられた。奄美市住用町の「黒潮の森 マングローブパーク」もカヌー体験を希望する観光客らで盛況だった。

 19日から23日の日程で千葉から奄美大島を訪れている荒明諒さん(29)と妻・直子さん(27)は台風接近に伴い21日に予定していたカヌー体験を22日に変更。諒さんは「(接近時は)買い物や洗濯をするしかなかった。海で泳ぐための時間を作りたかったが、きょうはカヌーの後に泥染め体験をする」と話した。

 同市名瀬大浜海浜公園内の奄美海洋展示館は雨天でも楽しめるため、21日も200人以上が来館したというが、晴天が広がった22日は隣接する大浜海岸がにぎわった。横浜から観光で訪れている鴨川雄治さん(57)は「21日に帰る予定だったが、飛行機の空席がなく23日まで延泊となった」とため息をつき、「きょうはここを観光してからホテルでゆっくりする」と語った。