町議が率先して行動

龍郷町議などが参加してアメリカハマグルマの駆除活動が行われた

龍郷町議会 世界自然遺産再推薦に向け
国道沿いで外来植物駆除

 龍郷町議会(窪田圭喜議長、10人)は16日、同町浦の国道沿いで外来植物アメリカハマグルマの駆除作業を行った。町議と役場職員、環境省奄美野生生物保護センター合わせて13人が参加し、世界自然遺産登録の再推薦に向け、住民代表として率先して行動に移し希少種や在来種の保護を図った。

 アメリカハマグルマは積極的に防除を行う必要がある緊急対策外来種に指定されており、1970年代に緑化用として沖縄諸島各地に導入。繁殖力が強く在来植物の生育に大きな影響がある。匍匐=ほふく=して伸び接地部から根茎を出して他の植物の上に成長することで、元々あった植物に光が当たらなくなり枯れてしまうという。

 根茎が残ると容易に再生するので、完全に駆除するためには手による抜き取り作業が必要。先月開かれた奄美の宝を次世代に繋ぐ議員の会(会長・金子万寿夫衆院議員)の世界自然遺産登録に関する勉強会で、窪田議長が議員らのボランティアでの外来植物駆除を提言していた。

 この日役場での会合を終えて、国道58号線沿い役場横の町有地に着替えて集合。同センターの千葉康人上席自然保護官が、啓発チラシを配布してアメリカハマグルマの特徴や駆除の注意点などを解説した。

 参加者は説明を聞き終えて作業を開始。硬い箇所は、ねじり鎌などを用いて根茎を残さないよう引き抜いた。

 約2時間の作業で、45㍑入りのポリ袋31袋分を回収。回収したアメリカハマグルマは袋に入れたまま乾燥させ、名瀬クリーンセンターに燃えるごみとして搬送して焼却処分する。

 窪田議長は「世界自然遺産登録は、来月1日までに再推薦される。自分たちは島民の代表として、自ら駆除して模範を示さないとならないだろう。この場所に、こんなに生えているとは思わなかった」と話した。

 千葉さんは「このような活動が地元主導で行われることはとても意義がある。外来種駆除は地道な取り組みになるが、地域の自然を守るため継続して活動してほしい」と語った。