徳之島3町合同防災訓練・フェア

徳之島3町合同防災訓練・フェア

自衛隊の大型輸送ヘリコプター(CH-47J)による被災者輸送訓練(体験飛行)も=4日、天城町総合運動公園野球場

 

 

さまざまな体験コーナーで家族連れを喜ばせ、意識高揚を図った=4日、天城町同公園

 

体験楽しみ防災意識
町行政・消防・自衛隊連携

 

 【徳之島】徳之島3町合同防災訓練・フェスタ2019(同3町主催)が4日、天城町総合運動公園を拠点にあった。地震・大津波を想定した自主防災組織の避難訓練(天城町内13集落)も展開。フェスタでは徳之島地区消防組合や航空自衛隊南西航空方面隊(那覇)が連携した消防・防災関連資機材の体験、大型ヘリコプター搭乗体験などもあった。

 天城町の避難訓練は午前9時、町防災行政無線を通じた「地震発生・緊急地震速報(震度6)、大津波警報(6㍍)、大津波警報・避難指示―」などを想定して開始。13集落の住民ら約450人が町防災センターや高台の各自治公民館などに自主的に避難協力。防災講話や講評でも〝自助・共助〟意識も高め合った。

 防災訓練フェスタ(会場・同町総合運動公園)には、①煙体験②放水体験③初期消火体験④消防車・救急車試乗⑤AED(自動体外式除細動器)体験⑥非常食試食⑦資機材・パネル展示⑧自衛隊ヘリ展示―の計8コーナーが登場。町内外から家族連れや児童生徒などが訪れ、楽しみながら消防・防災について学んだ。

 地元行政や住民と連携した自衛隊の防災・避難訓練は、同町自衛隊誘致連絡協議会が要望していた。同公園野球場を発着点に、大型輸送ヘリ(CH-47J)による被災者など輸送訓練と併せて、関係者や住民を乗せての島1周体験飛行(約15分間、定員55人)を2回サービスして喜ばせた。

 航空自衛隊南西航空隊の関係者は、「沖縄、鹿児島両県は離島が多い。自衛隊は災害救助など何ができるかを日々検証しており、実地訓練をしないと分からない部分も。救助・輸送など機材とわれわれの任務も知って欲しい」。会場には、航空総隊司令官の井筒俊司空将ら幹部も訪れ徳之島3町長と情報交換した。

 合同防災訓練・フェスタ開催地の森田弘光天城町長は「町独自の防災訓練は実施しているが、広域的事案が発生した場合は、地元行政や民間ボランティアの力だけでは対応できない場面も想定される。自衛隊の力を含め、広く連携することで迅速な対応ができる。住民の意識高揚には、楽しませながら体験、実践につなげることも大事」と話した。

 「3町合同」と銘打ったが、1町では公式サイトを含め町民へ同フェアの開催告知は一切なく、3町間の温度差も露呈した。