県議会一般質問

在留外国人の患者受け入れで拠点的医療機関に選出されている県立大島病院

奄美では県立大島病院など2カ所
在留外国人の医療機関受診で拠点選出

 12月定例県議会は10日、引き続き一般質問(最終)があり、酒匂卓郎議員=自民党、姶良市区=、大園清信議員=自民党、鹿児島市・鹿児島郡区=、大久保博文議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=、吉留厚宏議員=自民党、いちき串木野市区=が登壇。多文化共生社会実現で在留外国人が増加する中、県内において安心して受診できる体制の整備が必要として県では多言語での対応が可能な外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関の選出を推進、現在32の医療機関を選出していることが報告された。

 中山清美くらし保健福祉部長が答弁。在留外国人の受診状況(国の調査結果)は、2018年10月1カ月間の県内の延べ受入人数では外来193人、入院16人。県では外国人患者を受け入れる拠点的医療機関を選出しているが、中山部長は「拠点的医療機関がない二次医療圏や診療科に偏りのある二次医療圏もあることから、引き続き医療機関の協力を得て外国人患者の受け入れ可能な医療機関の拡充に努めたい」と述べた。保健医療福祉課によると、これまでに選出された医療機関のうち奄美地区では県立大島病院のほか、ふとり歯科医院(徳之島町)の2医療機関となっている。

 増加している外国人観光客らが当事者となる交通事故や運転免許の取得状況も取り上げられた。大塚尚県警本部長の答弁によると、県内で外国人がレンタカー使用中に当事者となった人身事故は16年3件、17年9件、18年4件と推移している。県内に住所を有する外国人の運転免許保有者数(今年11月末現在)は2844人で前年同期比126人増加。外国人が車両を運転中、または歩行中に当事者となった交通事故は16年44件、17年40件、18年39件発生している。

 対策として大塚本部長は「留学生や技能実習生に対する交通安全教育を行っているほか、外国人観光客が利用する観光施設やレンタカー会社に対し運転方法等に関する外国語版のリーフレットを配布するなど外国人ドライバーへの情報提供を推進している」と述べた。

 観光振興で台湾宜蘭県との交流促進に関する質問もあった。木場信人PR・観光戦略部長は、▽西郷菊次郎氏が宜蘭県の初代庁長を務めたつながりがある▽議会同士の交流が行われてきた―などを踏まえ「双方に望ましい交流の在り方を検討していく」と述べた。

 知事の政治姿勢に関する質問では、前回知事選で「脱原発」で立候補した中、国のエネルギー政策への対応がただされた。知事は「これまでと同様の姿勢で対応していく。多様な再生可能エネルギーが有効活用され、その供給において全国トップクラスとなる『エネルギーパークかごしま』を実現したい」とし、「本県の多様で豊かな自然を活用し、再生可能エネルギーを推進することで、原発に頼らない社会づくりの歩みを少しずつ進める」と述べた。