入荷安定の目途立たず

先月31日ごろからマスクの需要が大幅に高まり、ドラッグストアなどでは空になった棚が目立つ=3日午前、奄美市名瀬

新型肺炎感染懸念 マスク品薄、除菌グッズも
医療機関にも影響

 新型コロナウイルスによる肺炎が猛威を振るい、国内でも感染者が確認されている。感染拡大への懸念から、奄美群島内でもマスクなどの予防グッズのニーズが高まり、各地のドラッグストアなどで品薄状態が続く。在庫不足で空になった棚が目立ち、店舗関係者は「しばらくは品不足が続き、安定した入荷の目途は立っていない」とこぼしている。

 奄美市名瀬のドラッグストアでは国内で初めて感染者が確認された1月30日ごろから、マスクを求める消費者が増加し、在庫が枯渇。マスク売り場はほとんど空になり、1人につき3個までと購入制限をかけている。

 同店店長の男性は「制限前は1人で10~20個買っていく人もいた。奄美で使うよりも、関西などに送る人が多いと感じる。インフルエンザも流行しているので、本当に必要な人に届けられないことが不安」と話す。同店では除菌シートやスプレータイプの消毒液など、マスク以外の除菌グッズも品薄となり、入荷が厳しい状況にあるという。

 和泊町のドラックストアでも同日ごろから需要が増え、販売を1人5個までに制限。同店関係者は「利用客からの問い合わせもあるが、ないものはないと答えるしかない。理解してもらっている」とした。

 医師・看護師がマスクを着用する医療機関にも品薄の影響が出ている。同市名瀬の医療機関では、現在のところ在庫でまかなっている状態だが、「品薄が長期化する恐れがあるので、医師や看護師に使用方法の順守を呼び掛けている」とした。