文庫本『神の島のこどもたち』出版

文庫本『神の島のこどもたち』

戦中戦後の沖永良部舞台

 【沖永良部】作家・中脇初枝さんの小説『神の島のこどもたち』(講談社文庫)が12日、出版された。戦中戦後の沖永良部島を知る一冊。知名町立図書館などで借りることができる。

 2018年7月出版の『神に守られた島』と、19年1月出版の『神の島のこどもたち』を加筆、修正して一冊にまとめた文庫本。

 中脇さんは徳島県生まれ。沖永良部島の昔話「ホーラのマーヤ」の調査のため、8年前に初来島した。島のお年寄りたちから戦争の話を聞いていくうちに、沖永良部を題材に小説を書くこと決めたという。

 文庫本化にあたって時代考証を担当した知名町在住の前利潔さんは「小説の中では方言も多く使われていて、方言のテキストにもなる」と話した。

 知名町立図書館の職員は「本を読んで、島でも戦争があったことを知ってほしい」と語った。

 文庫本は、和泊、知名両町立図書館に寄贈され、知名町中央公民館では販売も行っている。定価840円(税別)。