瀬戸内町・支え愛推進会議

各部会から前年度実績が報告された第8回会合

不動産のスペシャリスト必要
各部会が事業報告 空き家対策に提言

 瀬戸内町は14日、同町古仁屋のきゅら島交流館で「チームせとうち“我が事・丸ごと”支え愛事業」地域づくり推進会議の第8回会合を開いた。構成する各部会から2019年度事業実績と今年度計画を報告。町内に散在する空き家の利活用など地域が抱える課題と、その解消に向けた今後の対応を話し合った。

 多分野・機関が連携して地域共生社会を実現しようと、3年前に同事業がスタート。今年度最初の推進会議には町内の行政や介護、福祉の各機関、商工業や法律などの担当者約80人が参加。鎌田愛人町長は「包括的な支援体制のモデル事業として、課題解決に一体となって取り組んでほしい」とあいさつした。

 部会の事業報告があり、「住まい部会」は官学民連携による空き家(18年度現在827件)の利活用の方向性を説明。空き家データ提供(大学)、所有者の割り出し(役場)、リフォーム・解体対応(民間)による体制を示したほか、連帯保証人が確保できない利用者に対して、「NPO法人やどかりサポート鹿児島」が連帯保証を提供する住居支援も進めていく方針。

 意見交換では、利活用する空き家別件の絞り込みを強調。相続問題の対応には法的スキルが必要となることから、不動産のスペシャリストの配置を提案する場面もあった。

 また「相談支援部会」は高齢者に関係する課題に取り組んだとして、一人暮らしを巡る課題や、医療・介護の困りごとを「島の保健室」の看護師が担う体制づくりを報告した。

 今年度は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当初予定されたスケジュールを大幅に修正。事務局は「各部会が実施した事業内容を確認しながら、推進会議で今後の方針を検討していきたい」としている。