喜界町ダブル選スタート

新人同士の一騎打ちとなった喜界町長選で気勢を上げる両陣営(写真は米澤氏陣営、隈崎氏陣営の順=届け出順=)

20年ぶり町長選突入
新人同士一騎打ち

 任期満了に伴う喜界町長及び町議会議員選挙は22日告示(27日投開票)された。町長選にはいずれも無所属新人で元鹿児島県庁職員の米澤守光氏(71)、元副町長の隈崎悦男氏(66)=届け出順=が立候補、町議選は定数12に対し14人が名乗りを挙げた。町長選の両陣営は町議選候補をまじえ、選挙事務所前で第一声。現町政の継承・刷新を「争点」に20年ぶりの選挙戦をスタートさせた。

 米澤氏は「新たな町政の実現を目指したい」と8月1日に出馬表明。「民意を反映させるため、町民の声に耳を傾け、新しい喜界島をつくりたい」と町政刷新を訴え、町民主体の行政運営や新型コロナウイルス感染症対策、農・水産・畜産業の振興、子育て世帯や高齢者支援など社会福祉の充実―を公約に挙げ、地域活性化に意欲を示す。 

 隈崎氏は今年6月、出馬のため同町副町長を辞任。8月1日に立候補を表明した。長年培った地域行政の経験と川島健勇・現町政の継承をアピール。「創ろう元気な島を」を掲げ、地域に寄り添った町づくりを強調し、「人口減少に歯止めをかけ、子育て支援や農業振興などを重視した地域行政にしっかりと取り組みたい」と意気込む。

 両陣営ともそれぞれ強固な支持基盤を持っており、激戦が予想される町長選。米澤氏陣営は湾、隈崎氏陣営は赤連にある選挙事務所を拠点に、辻立ちや集落を回りながらのあいさつなど精力的に組織固めしてきた。

 一方で新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から陣営側は集会や会合を控え、対面式による呼びかけが活動の中心。従来と異なる状況でどれだけ票の掘り起こしにつなげるかが鍵となりそうだ。

 期日前投票は23~26日までの4日間で、会場は役場コミュニティセンターで。投票は27日午前7時から午後6時まで、会場は役場コミュニティセンターほか各投票所で実施。午後8時から同センターで即日開票される。大勢判明は、町長選が午後10時ごろ、町議選は同11時半ごろとみられる。

 9月1日現在の登録有権者数は5857人(男2880人、女2977人)。

定数12に14人立候補
喜界町議選 町長選派閥間の議席争いも

 現職3人が勇退した喜界町議選(定数12)には、現職9人と新人5人の計14人が立候補した。各陣営は町役場で立候補届け出を済ませた後、それぞれの出身地区などで出陣式を行ったほか、町長選候補者の出陣式にも参加、集まった両陣営の支持者らにもアピールするなど、支援を呼びかけた。

 各候補の政党別内訳は、公明と共産が各1人で残り12人は無所属。いずれも男性で、女性候補はいなかった。地区別の内訳は上嘉鉄、湾、佐手久、赤連の4地区が2人ずつで、志戸桶、城久、西目、小野津、坂嶺、中里の6地区が各1人となっている。

 各候補とも地縁や血縁を中心に支持を訴えているほか、20年ぶりとなった町長選の派閥間の議席争いにも注目が集まっている。また、前回までトップ当選していた現職が勇退したことにより、浮動票をめぐりしのぎを削りあう少数激戦となっている。