奄美の秋彩る花三態

「イソノギク」瀬戸内町ホノホシ海岸(10月31日撮影)

「オオシマノジギク」奄美大島北部(11月1日撮影)


「オキナワギク」奄美大島南部(11月1日撮影)=いずれも西康範さん撮影=

海岸沿い イソノギクなど開花

瀬戸内町ホノホシ海岸で「イソノギク」が開花している。奄美大島北部では「オオシマノジギク」、南部では「オキナワギク」もそれぞれ開花。海岸へ続く道中や海岸沿いで、それぞれかわいらしい花を咲かせている。

「イソノギク」は絶滅危惧IB類(EN)に登録されるキク科の植物。『奄美の絶滅危惧植物』(山下弘さん著)によると、奄美大島を北限に、沖永良部島や沖縄島に分布する。海岸に面した岩場や崖に生育する常緑の多年生草本。花はやや紫を帯びた白色で、花茎の先端に単生または散房状につく。かつては奄美大島北部のアヤマル岬付近にも生育地があったが、道路工事や踏みつけなどにより完全に姿を消したという。

ホノホシ海岸では駐車場から海岸へ向かう道程で開花。観光などで同海岸を訪れた人々の目を楽しませている。

奄美大島北部で開花する「オオシマノジギク」は奄美大島、喜界島、徳之島に分布。南部の「オキナワギク」は奄美大島、徳之島、沖縄島の固有種となっている。

撮影した奄美市名瀬の西康範さんは「奄美の秋を彩る花三態。例年に比べてやや少ないようだが、それぞれ海岸地帯や岩場で開花している」と話した。