「いっちゃむん市場」オープン

鎌田町長ら関係者によるテープカット

オープンセールに多くの来場があった「いっちゃむん市場」内

生産者と住民をつなぐ場
加計呂麻島 地場産物直売にぎわう

瀬戸内町が運営する加計呂麻島の農産物直売所「いっちゃむん市場」(昌谷榮四郎店長)が8日、同島瀬相集落でオープンした。同日は関係者が集まりセレモニーが行われ、地元の農産物や加工品が並ぶ初日の売出しには大勢の客でにぎわった。

店名は地元の島口で「いいもの」。同所は島内産の農作物を中心に、加工品や土産品を販売して、地域に親しまれる施設を目指す。

品物の搬入先は、町内の生産者で構成される「いっちゃむん市場生産者会」(川島博会長、会員80人)が旬野菜、鮮魚などを持ち寄り、「まずは住民への提供を重視して運営基盤を固め、地域に定着させたい」(関係者)としている。そのほか地元の魅力、観光など情報の発信拠点としても期待されている。

当面は島内産の野菜、町内産のパッションフルーツやタンカンなど農産品を中心に販売を展開し、鮮魚や精肉は、関係者との交渉で品ぞろえを充実させていく予定。また観光客向けには「きび酢」「自然塩」「島内産フルーツジャム」、ヤコウガイの貝殻細工など加工品・工芸品を並べ、地域の魅力をアピールする考えだ。 

同町農林水産課によると、施設は鉄筋平屋建て(延べ床面積約100平方㍍)で販売スペースのほかトイレや休憩所を設けた。従業員10人で運営する。

式典には鎌田愛人町長のほか町議会議員、県大島支庁瀬戸内事務所など約50人が出席。オープニングのテープカットでは大きな拍手が起こった。鎌田町長は「地域の生産者と住民をつなぐ場として利用を増やし、産業振興に期待している」と述べた。

午前11時半の開店では、待ちわびた住民が店内のカボチャやトウガンなど島内産野菜のほか、ダイコン、ニンジン、サトイモ、安納芋などを手に取った。ほとんどの野菜が市価より安いとあって、購入客で混雑。また半額セールのソフトクリーム販売には店外まで行列ができた。

同日、瀬相で「加計呂麻島ハーフマラソン」(同町主催)が開催され、普段は静かな集落がにぎわいを見せるなかでのオープンに、昌谷店長は「多くの人に当店を知ってもらおうと、きょうの日を選んだ。住民や島外客に喜ばれる店づくりを展開したい」と意気込む。

休日は年末年始。営業時間は午前8時半~午後6時。問い合わせは℡0997―75―0290(いっちゃむん市場)まで。