国交省の徳山事務次官(中央)へ提案内容を説明する伊藤知事(左隣)と池畑会長(右隣)
【東京】行政や県内の産業界等43団体で構成する鹿児島県開発促進協議会(会長・池畑憲一県議会議長)は11日、伊藤祐一郎知事らとともに2016年度政府等の予算編成に関する中央提案活動を行った。「奄美群島振興開発の推進」「『奄美・琉球』の世界自然遺産登録」など、15事項について提案。概算要求額の確保や事業の拡充などについて、関係各省庁に協力・支援を要請した。
提案活動は知事と会長が先頭に立ち、概算要求が締め切られる前の夏と国の予算編成が進められる秋の年2回実施されている。要請団は提案に基づき、農水省、国交省、総務省、内閣官房、環境省など、関係省庁の要人に直接提案内容を説明した。
奄振予算については国交省の徳山日出男事務次官を訪問。概算要求では公共事業で220億1200万円、非公共事業の奄美群島振興交付金は前年度予算より3億5千万円増の24億円が盛り込まれているが、奄振開発計画に基づく各種事業を着実に実施できるよう、所要額確保を要求。また、ソフト・ハードの両事業について、補助対象事業の拡充や沖縄振興開発事業より低い補助率の更なるかさ上げ等を行うよう求めた。
世界自然遺産登録については環境省の関荘一郎事務次官、奥主喜美自然環境局長を訪問。18年夏の遺産登録実現に向けて必要な取り組みを講じることや、遺産登録の前提となる早期の国立公園指定等の保護担保措置を求めたほか、希少野生生物保護対策やマングース等の外来種対策や奄美群島自然共生プランに基づく取り組みに対し、積極的な支援を講じることを求めた。
そのほか奄美関連では、国交省に対し「港湾事業等の促進」として、名瀬港について「島しょにおける拠点港湾として岸壁の老朽化への対応や港内静穏度を図る直轄事業による岸壁や防波堤の整備促進、災害発生時の対応空間を確保するための緑地の整備促進」を盛り込んだほか、離島航空路線の中で、滑走路や航空灯火の経年劣化、28年間使用している電源施設等の更新が必要な奄美空港、塩害による腐食が進む場周柵の更新が必要な沖永良部空港について空港予算の確保などを求めた。
また農水省ではTPP国内対策に関する提案事項として畜産、稲作、甘味資源作物等について、安心して経営を継続できるよう、各般の施策推進を求めている。