農業農村整備事業推進協が中央要望

農業農村整備事業推進について、齋藤副大臣(中央)に要望書を手渡し、意見交換を行った

当初予算で所要額確保を
喜界着手に理解 ミバエ対策協力要請も

【東京】奄美群島農業農村整備事業推進協議会(会長・伊地知実利和泊町長)は12日、県農業農村整備事業推進協議会など関連4団体とともに、同関連事業について2016年度予算への反映を求める中央要望を行った。

奄美からの要望団は、これまでのかんがい排水や畑地帯総合整備等によって農業生産基盤は着実に成果をあげつつあり、中山間地域総合整備や農道整備、農業集落排水などによって農村の生活環境も順調に改善されてきていることに謝意。その上で、地理的不利性の中にある奄美では、独自の農業の持続的発展や農村振興を図り、国の基本計画や施策展開に即して今後も農業農村整備事業を計画的・効率的に推進する必要があるとして①16年度奄美群島農業農村整備事業の所要額の確保②16年度農業農村整備事業の新規要望地区の採択③国営かんがい排水事業の推進④国営土地改良事業地区調査「喜界島地区」の着手――の4点を要望した。

所用額の確保については、奄美全体で80億8400万円(対前年比96%)、そのうち国営事業38億5800万円(同95・5%)、補助事業25億6200万円(同94・6%)、農村漁村地域整備交付金16億6400万円(同99・2%)を要望。

また、同事業の新規要望地区として農地整備などハード整備で8市町村9地区、農業農村整備実施計画策定などソフト・調査計画で8市町村16地区の採択を求めた。

要望団は農水省、国交省、関係国会議員などを訪問し要望書を手渡したほか、農水省担当者と意見交換会なども実施。そのうち齋藤健農水副大臣は、「一昨日、伊藤祐一郎知事からも同様の要望があり、熱心さは十分伝わっている」と理解を示し、「政権交代前には当初予算が削られて補正予算を中心に予算総額を伸ばしてきたが、16年度概算要求では当初予算を増やす方向で取り組んでいる。森山裕農水相もこの事業の大切さを認識している。当初予算でできるだけしっかりやっていきたい」と前向きな姿勢を示した。また、国営土地改良事業地区調査「喜界島地区」の着手については「調査に着手する前提でやっている」と語った。

奄美ではミカンコミバエ種群が確認されたことで、果樹生産農家への多大な影響が懸念されているが、要請団は要望書とは別に、訪問の先々でミカンコミバエ種群のまん延防止と撲滅対策などについて協力を要請。理解を得ていた。