県酒造組合奄美支部総会

酒類の地理的表示に「奄美」の申請を検討する方針などが示された県酒造組合奄美支部総会

「奄美」の申請検討へ
酒類地理的表示で

県酒造組合奄美支部の第8回通常総会が17日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。2014年度事業報告や15年度事業計画など4議案を承認。15年度は物産フェアへの出展や商談会の開催、奄美黒糖焼酎語り部育成などを推進するほか、今月1日に選出されたミス奄美黒糖焼酎と連携して需要拡大に努めることを確認。酒類の地理的表示に「奄美」の登録申請を検討する方針も示された。

14酒造年度の製成数量は7076㌔㍑(13年度比5%減)、課税移出数量は7127㌔㍑(同3%減)。ピークの05酒造年度と比べ、製成数量は43%、課税移出数量は65%にとどまった。

15年度は県商工会連合会を主体に奄美黒糖焼酎や食文化をアジア・欧州向けに展開する「JAPANブランド支援育成事業」の一環で、▽既存商品改良・新商品開発▽販路開拓・販売促進活動▽広報・PR活動―などの事業を推進。来年5月9、10日に開催される「奄美黒糖焼酎の日」の周知活動なども行う。

来賓として出席した同組合の中玉利豊専務理事は、各国で大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)に関連し、各国の焼酎に対する関税撤廃時期などを紹介した。関税率の引き下げや蒸留酒の容器容量規制の改正など海外を巡る情勢変化について、「輸出にとってチャンス」と強調。酒類の地理的表示では、現在登録されている「薩摩」に続き、同組合として「奄美」を申請する方向で検討しているとした。

このほか、ミス奄美黒糖焼酎に選出された崎本彩さんの紹介もあり、女性目線を活用した需要拡大に向け気勢を上げた。

同支部の総会に先立ち開かれた奄美大島酒造協同組合の第34回通常総会では、原料となる黒糖供給斡旋事業の不振などから、3期連続の赤字決算を報告。役員改選があり、川崎洋三理事長は再任、副理事長の定数を2から1とし、有村成生副理事長が再任された。