方言に親しんで

奄美市教委が市内の全小中学校や幼稚園などに配布した「島口教訓カレンダー」

島の教訓掲載カレンダー
奄美市教委小中幼稚園に配布

 奄美市教委は、子どもたちに奄美の方言に親しんでもらおうと、奄美で言い伝えられている教訓を方言で掲載した日めくりカレンダー「島口教訓カレンダー」を作成、市内の全小中学校や幼稚園に配布した。

方言伝承を目的にした取り組みで、同市シマグチ伝承活動推進委員会の活動の一環。小中学校、幼稚園の全学級で使用してもらえるよう部数を用意し、市内の公民館にも配布した。

カレンダーは、市教委が2003年に奄美の日本復帰50周年記念で作成した島口教訓カレンダーを基にしたもので、以前のものの大型版。大きさは縦85㌢×横30㌢で、教室の黒板の横にかけてもらえるようイメージして大きさを設定した。

カレンダーには一日につき1教訓が書かれており、教訓の横には教訓の意味が添えてある。例を挙げると、1日の「家慣(やーな)れどふ 外慣(すとふな)れ」の横には「家庭における子どものしつけ、生活習慣はよかれあしかれ外に出てもそのまま表れるものである。あいさつ、言葉づかい、整理整とんなど、親の責任で正しくきちんとしつけなくてはならない」、8日の「挨拶(くふいくふとば)や銭金(じんかね)や要らん」の横には、「人間関係に大切なことは、金や物だけでなく、心のこもった温かい言葉のやりとりである。近隣所に心のこもった挨拶や言葉を交わし、明るく楽しい日々を過ごしたいものだ」とある。

市教委はカレンダーを教育現場で広く活用することも呼びかけており、その一例として、地域のお年寄りの協力を得た、子どもや保護者対象の方言学習会などを提案しているという。

カレンダーは今は配布をしていないが、A4サイズに縮小したものののデジタルデータは無料で提供可能という。問い合わせは奄美博物館(℡0997―54―1210)へ。