大島拘置支所の塀キャンバスに

大島拘置支所の塀の外壁に地域住民が絵を描いた

絵描き地域の絆深める
名瀬矢之脇町自治会

奄美市名瀬矢之脇町(榊雄二自治会長、324世帯)にある大島拘置支所の塀の外壁に21日から、地域住民らがスケッチを行っている。『大きなキャンバス・育てよう!「結いの心」・描こう!「みんなの夢」』と題した同イベントには地域住民ら約80人が参加。共同作業で地域の絆を深めるとともに自治会のシンボルとなるような壁絵の作成に励んでいる。22日、完成予定。

同拘置支所の西側のコンクリート塀の一角。高さ約3㍍、幅10㍍の巨大なキャンバスに、子ども育成会や若返り会(老人クラブ)、青壮年団、女性部ら自治会メンバーが中心となり、奄美の自然や動植物、好きなアニメのキャラクターなど自由に描いた。

世代間交流活動の一環として自治会が同企画を提案し、法務省から同拘置支所を通して承諾が得られたという。
榊会長は「一自治会の活動としてはあまり例のない面白い取り組みが出来たと思っている。これまでも自治会として大島拘置支所のみなさんとは交流があり、良い関係を築けていたから今回の企画が認められたものと感謝している。こうしたイベントを通して結いの心を育み、地域の防災力強化などにもつなげていけたら」と語った。

技術指導として参加・協力した名瀬美術協会の久保井博彦会長(68)は「大変素晴らしい企画だと思っている。これだけ大きなキャンバス。子どもたちには思い切り大きな絵を描いてもらいたい」と話していた。

参加した田中愛華さん(11)、富永真央さん(12)は「楽しくていい企画だと思う。明日(22日)まで頑張りたい」と笑顔で話した。

大島拘置支所は現在施設老朽化に伴う建て替え工事中。キャンバスとなった塀は来年夏ごろ撤去される予定だが、何らかの形で作品を残せないか自治会で検討するという。