伊仙町産業・食の文化祭

講演会(写真上)や県畜産共進会・最優秀賞牛のお披露目も=22日、伊仙町

「来ると健康長寿の島に」
県共進会・最優秀牛のお披露目も

【徳之島】伊仙町産業・食の文化祭(町主催)は22日、同町ほーらい館を中心にあり、高校生の意見発表や専門家の健康長寿に関する講演会、農林水産物の展示即売会などでにぎわった。今年度第64回県畜産共進会・若雌1区最優秀賞の荻田武志さん(木之香)の「みなみ号」もお披露目され注目を集めた。

式典では大久保明町長らのあいさつに続き、県共進会・最優秀賞の荻田さんには同賞を伝達披露。意見発表では徳之島高総合学科の喜多川大地さん(3年)と東翼さん(1年)が、野球部遠征費ねん出のためのバレイショ栽培体験を通した流通・農業経営の感想や、県立農大進学後にUターンし畜産経営の実践を目指す決意を紹介した。

講演会は、宮本篤鹿児島大農学部教授と家森幸男武庫川女子大国際健康開発研究所長(教授)が演題「健康長寿の蓬莱(ほうらい)島をつくる」で講演。長年の調査分析、国内外地域との比較を通じ、百歳以上の高齢者人口1万人当たり割合(百寿率)で全国都道府県トップの島根県(9・07)の約3倍(27・43)の伊仙町の背景を考察披露した。

特に、水および特産物に含まれるミネラル成分の視点で、①同島西部~南部にかけた隆起性珊瑚(石灰岩)層を経た弱アルカリ性で高度100~300の水の飲用②台風や強風が海水由来の栄養塩類(ミネラル)を土中にもたらしている可能性③いくつかの野菜に含まれるマグネシウムやカルシウムなどミネラルは全国平均に比べて豊富に含まれ、それが長寿に貢献している可能性―も強調。

地質的なマグネシウム(水)に加え「適塩」食生活の普及浸透や魚(タウリン)摂取の多さなど好材料の一方では、野菜類のマグネシウム摂取不足の現状を指摘し、「来ると健康長寿になれるモデルの島(蓬莱島)になってほしい」と促し期待した。

屋外イベント広場には同町漁業集落の「お魚祭り」など様々な即売ブースが設置されて買い物客でにぎわい、三味線島唄などのコンサートや三輪車レース、綱引きなどでも楽しませた。