移動禁止 笠利町の一部にも拡大

笠利町で行われたポンカン・タンカンの島外出荷に関する説明会

門司植防 移動制限区域外で説明会
申請受付 2日からスタート

ミカンコミバエ種群の移動規制区域外となっている奄美市笠利町の笠利農村環境改善センターで2日、ポンカン・タンカンの島外出荷に関する説明会が行われた。11月25日現在の移動規制範囲は、笠利町の一部を除く奄美大島全域となっており、移動制限は今月13日から。島外への出荷が可能となる笠利町では、農家を対象に申請から持ち出しについて説明した。

説明会には町内の農家など約100人と、農林水産省門司植物防疫所名瀬支所や奄美市職員らが参加。最初に制限区域外から島外移動までの流れを説明したあと、質疑応答などが行われた。

島外移動は、生産者またはその代表者が申請書を作成し、植物防疫所に提出(締切は毎月8日)。同所の防疫官がほ場の位置(区域外かどうか)や梱包方法などを確認した後、合格証明書が発行される。有効期限は1カ月となっており、毎月更新が必要。合格証明書を受け取った生産者のみ、検査合格済みを記したラベルを貼って島外への出荷が可能となるという。

受け付けは2日からスタートしており、申請書などは市役所笠利総合支所などで入手可能。合格証明書は12月13日に郵送される。一方で、荷物が密封されていないなどの不備があった場合、その荷物は移動禁止。また、申請後に5㌔以内でミカンコミバエの誘殺があった場合、移動制限区域に追加されるため、合格証や封印は回収される。

質疑応答では11月25日までに龍郷町芦徳で誘殺が確認されたことから、移動規制範囲が笠利町の一部にも拡大したことを受けて参加者から「笠利は全域大丈夫だと思っていたので知らなかった。具体的にどの地域が制限されるのか」という質問も。担当者からは用安・喜瀬・打田原・前肥田・手花部・平(一部)と具体的な地名も出たものの、より詳しい地域については「申請してもらえたら確認に行く」などとした。

このほか「農家以外への説明はどうするつもりか」「制限区域になったら補償はされるのか」などの質問もあった。同所では「農家以外でも、島外に送る場合には申請が必要」としており、申請後、制限区域がさらに拡大される場合もすぐに電話などで知らせるとした。また、今後の最新情報も随時ホームページで公表するという。

農水省は2日、ミカンコミバエ種群の緊急防除に関わる寄主植物の移動制限基準日を通知。基準日以降にミカンコミバエ種群の誘殺が確認されたトラップを中心として、半径5㌔以内の区域が「特定移動制限区域」に指定される。

設定植物と基準日は、ポンカンが15年9月26日、タンカンが同年10月8日、スモモが16年2月22日、マンゴーが同年6月14日。当該区域内で生産された当該植物は、原則として全量が廃棄の対象となる。