リュウキュウアサギマダラ冬越し

光を浴びて青く輝くリュウキュウアサギマダラの冬越し

光浴びて青く輝く

過去最大級のエルニーニョ現象により今冬は「暖冬予想」とされているが、奄美地方は12月に入り最低気温が15度を下回る日もある。冬の風物詩となっているリュウキュウアサギマダラの集団越冬が5日午前、奄美大島北部で観察された。

奄美地方は11月下旬に入っても最高気温が「夏日」の25度以上となり、30度近くまで上昇する日もあるなど高温傾向が続いていた。12月に入ってからは早朝や夜間に冷え込みが感じられるようになり、強風が吹き荒れた4日は表示される気温以上に体感の方は寒さを感じる一日となった。

この気温の低下により、観察地では4日に続き5日もリュウキュウアサギマダラが集団越冬。分布の北限は奄美大島とされ、風当たりの弱い林の中などで観察できる。気温が下がる早朝によく見られるが、曇天で日差しが少なく、気温が低いと日中でも見られる。

冬越しは群れで。リュウキュウアサギマダラは身を寄せ合うように木々の枝やつるに止まるが、樹木が覆いかぶさっているため、周辺は薄暗い。ほんのりと木漏れ日が届くと、光を浴びて翅=はね=の部分が青く輝く。神秘的で美しい光景だ。日差しが強くなり気温が上昇すると、眠りから覚めたかのように翅を広げ、群れを解消して周辺を飛び回る。

奄美大島北部では集落近くで集団越冬の様子を観察できるところがある。しかし人の出入りの多さにより見られなくなったところもあり、観察する側の配慮が求められそうだ。