20年ぶりの都大路に挑む樟南。1列目の4人は奄美出身選手。左から野島、奥、田邉、元
【鹿児島】第66回男子・第27回女子全国高校駅伝は12月20日、京都市の西京極陸上競技場を発着点とする「都大路」で健脚が競われる。鹿児島からは、11月の県大会で優勝した男子・鹿児島実、女子・鹿児島女に加えて、女子の樟南が20年ぶり2回目の出場権を勝ち取った。
部員20人のうち、奥あぐり(3年、朝日中卒)、田邉杏(2年、龍南中卒)、野島未菜(2年、赤木名中卒)、元由香莉(1年、同)の4人が奄美出身で、野島と奥は出走エントリーメンバー8人の中に入っている。「持っている力を出し切る走り」(諏訪原弘道監督)を目指し、20年ぶりの都大路に挑む。
今年は全国大会の舞台が都大路になってから50年の節目の年に当たるため、従来の男女47代表にプラスして11地区代表と開催地・京都第2代表を加えた69校が出場する。県大会3位だった樟南は11月15日の九州大会で4位に入り、南九州(沖縄、鹿児島、宮崎、熊本)の2位以下チームの中で最上位を勝ち取り、地区代表を射止めた。
「まさか全国に出られるとは思っていなかった」と諏訪原監督。特に目標順位なども掲げなかったが、県大会と同じオーダーで臨んだ九州大会では、1区で川路が5位と好位置につけた。2区以降は6位をキープし、走った5人中ただ1人の3年生・堀口が2人を抜いて、4位に入った。北九州市立(福岡)、諫早(長崎)、筑紫女学園(福岡)など全国でも実績のある強豪校と上位争いをして、南九州代表を目指す神村学園やルーテル学院(熊本)に先着した。
「監督よりも選手たちの方が『都大路に出たい』と強い気持ちを持っていた」と諏訪原監督。3区を走った野島は、タスキを受け取った時点で最大のライバルだと思っていた神村より先にタスキを受け取り「絶対に都大路に出る!」と強い気持ちで走った。4区のサポートをしていた田邉は「2年生全員で都大路に出られる最後のチャンス」と思っていた。2年生はマネジャー2人を含めて10人いるが、進学組の部員は来夏のインターハイで引退する。10人全員で都大路の舞台に立てるのは今回が最後という意気込みで、九州に挑んだ。
都大路では田邉と元は選手のサポートを担当する。「みんなが楽しんで走ってもらえる」(田邉)ように全力でサポートすると同時に「いろんなことを勉強して、これからの自分の競技に役立てる」(元)大会にしたい。野島と奥は出走の可能性がある。「まだ実感がわかない」野島だが「絶対に走りたい。走れたら一つでも上の順位で次の区間でタスキをつなぐ」ことを目指す。
3年生の奥は、2年の夏以降、右足かかとの故障に悩まされ、今季はインターハイのトラックレースにも出られなかった。夏休みの合宿の頃からようやく走れるようになった。今度の都大路は自身の陸上人生でも「区切り」になる。「悔いのない大会にしたい」と意気込んでいた。
(政純一郎)