8品目の買上げ単価決定

買い上げ単価

基準日通知はスモモのみ
廃棄時期など不明点も

県は16日、ミカンコミバエの緊急防除に伴う生産補償に関し、スモモやパッションフルーツ、バナナなど8品目の1㌔あたりの買い上げ単価を発表した。今回示された買い上げ単価では果菜類も含まれ、このうちトマトは標準価格が240円上限価格520円となった。だが、8品目は移動制限基準日が通知されていないものが多く、法律上、廃棄命令による廃棄時期などについては不明な点も残る。

単価は奄美大島の市町村担当者、生産者などをメンバーとした評価会で意見を取りまとめて決定した。先月27日に公表したポンカン、タンカンと同様、各品目の標準単価や上限単価はJAや公設市場の取り扱い実績のうち、最近5カ年の平均単価から最高と最低を除いた中庸3カ年の平均や個別販売の実績などを基に算出。規格外品など商品性が低い「その他」は加工用として取引される額を、自家消費用は肥料や薬剤など栽培に必要な経費相当分をそれぞれ考慮した。

より実勢価格に近づけるため、品目ごとに8~22段階(自家消費分含む)の段階的な価格帯を設定。補償は販売実績の証拠書類を廃棄作業の主体となる各市町村へ事前に提出し、農家ごとの平均単価を算出して、廃棄命令を受け廃棄処分時に計測した果実などの数量をかけた額が補償される。

生産補償は対象品目ごとに定められた移動制限基準日以降、ミカンコミバエ種群の誘殺が確認された地点から半径5㌔以内の区域を「特定移動制限区域」に指定し、植物防疫官の廃棄命令により区域内で生産された品目を廃棄した分について、県が買い上げる仕組みとなっている。しかし、今回示された買い上げ単価のうち、農林水産省が基準日を通知しているのはスモモ(2016年2月22日)のみとなっている。

県大島支庁農林水産部の東洋行部長は、「スモモについては基準日以降、ミカンコミバエの誘殺が確認された場合のみ廃棄命令が出され廃棄の対象となる。現時点では廃棄とならないので注意してほしい」とし、残る7品目については「収穫時期が長期間続く品目もあり、現在国で基準日を検討している。これらの果実・果菜の廃棄命令については、植物防疫所へ相談して今後の対応をしてほしい」と話した。