徳之島・南西糖業 5年ぶり年内操業開始

5年ぶり年内操業を開始した南西糖業(写真は徳和瀬工場)=22日、徳之島町

「早熟高糖」型を反映

【徳之島】徳之島の南西糖業㈱(田村順一社長)は22日、2015/16年産サトウキビ原料の搬入を受け入れ、5年ぶりに年内操業を開始した。前期まで4年連続の記録的不作に見舞われたが「ほぼ平年作」に回復し、同社2工場の処理見込み量も18万1642㌧(前期比約3万2千㌧増)。過去最高水準の「早熟高糖型」を反映、平均甘庶=しゃ=糖度は13・56度(前期初日比0・92度増)の出足となった。

同社徳之島事業本部(原料統括部)によると、徳和瀬(徳之島町)と伊仙(伊仙町)2工場とも午前8時から大型トラックによる原料搬入が始まった。工場別の搬入見込み量は▽伊仙工場9万6221㌧▽徳和瀬同8万5421㌧。初日の搬入量と平均甘庶糖度は▽伊仙518・7㌧、13・81度(前期12・59度)▽徳和瀬497・1㌧、13・29度(同12・69度)。平均買い入れ糖度は13・56度(12・64度)と良好な出足となった。

今期製糖計画によると、今月は27日まで搬入を受け入れ、年明けの来月6日に再開し、搬入終了は4月6日を予定。この間には工場の保守整備日や「春植え推進期間」(3月4~13日の10日間)の搬入休止日をはさみ、製糖日数は計108日(前期91日)を見込む。

作柄は「ほぼ平年作」に回復、品質面も過去最高水準の「早熟高糖型」を反映して良好な買い入れ糖度でのスタートに。だが一方では過去最高水準の「早熟高糖型」によって、収穫期後半にかけた原料茎の「海綿化・スポンジ化」などの懸念材料も。同社は、夏植えほ場のキビを優先した収穫・出荷も呼びかけている。