本格的な製糖シーズンを前に、機械メンテナンスについて学ぶ参加者ら
奄美大島島内での本格的な製糖シーズン開始を前に、大島本島さとうきび生産対策本部(本部長・朝山毅奄美市長)は6日、奄美市笠利町の農業組合法人奄美市さとうきび受託組合で「2015年度大島本島ケーンハーベスタ・オペレータ研修会」を開いた。オペレーターや補助員など約70人が参加し、作業事故の防止策や非常時の応急処置のほか、機械のメンテナンス、使用時の安全対策について理解を深めた。
同研修会は、島内におけるサトウキビ収穫面積の約9割がハーベスタを使った収穫で占められることから、作業員らの事故防止への意識向上をはかることが目的。
農作業での事故防止対策について、県農業開発総合センター企画調整部普及情報課の白澤繁清主任農業専門普及指導員が過去5年間での死亡事故など各事例を挙げながら説明。その中では農作業には様々な危険が伴うことを認識した上で、作業を安全に行うための基本的な知識や技術を習得し、それらを実践することが重要と指摘。無事故を目指すにあたって▽体調管理、作業に合った服装や安全保護具の着用▽機械や作業場所を事前に整備・点検▽ほ場への進入路、段差に注意する▽ゆとりをもった無理のない作業、計画的かつ安全に行う―などの事項を確認した。
大島地区消防組合による講義では、非常時の応急手当てなどについて学び、作業中に出血した際の対応策のほか、意識を失った場合などに行う心肺蘇生、AEDを使用した処置についてロールプレイを含め解説を受けた。
農業機械メーカーの担当者が保守点検などメンテナンス、安全対策について説明。1日の作業後、ベアリングなど各部位へのグリスアップ、エンジン不調を防ぐために燃料を確認するなど必要な処置のほか、ケーンハーベスタのバック運転の際にオペレーターは必ずホーンを鳴らし、補助員へ伝える重要性など安全作業への徹底を呼びかけた。