製糖操業全島で開始

次々とサトウキビが搬入され、操業が始まった富国製糖

シーズン本番、富国は微増
群島全域で40万㌧見込む

奄美群島の大型製糖工場の2015/16年期操業。15年中に操業開始した南栄糖業(沖永良部島)、生和糖業(喜界島)、南西糖業(徳之島)は6日までに原料搬入を再開し、7日には与論島製糖、8日は富国製糖(奄美大島)でも操業を開始した。今期産は干ばつなどの影響が少なく、群島全体で5年ぶりに40万㌧の生産量を見込んでおり、製糖シーズンも本番を迎えている。

奄美市笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(有村成生社長、勢幸一所長)は8日、2015/16年期の操業が始まった。初日は原料搬入式と製糖開始式があり、参加者らは安全操業の徹底を祈願。今期産は前期産を約1600㌧上回る2万2800㌧を見込む。製糖期間は3月18日までの71日間(春植え推進期間などを除く)を予定している。

今期産は昨年春頃の低温で分けつが抑制された影響で茎数が少なく、三度の台風接近で葉部裂傷などがあり生育停滞が発生。11月の生育調査では茎長が前期比7・4㌢減となったものの、茎数は同17・9本増、茎径0・04㌢増と持ち直し、微増となる見込みとなった。地域別生産は笠利地区が2万1千㌧、龍郷町1600㌧、名瀬地区200㌧を予定している。

有村社長は「昨年より増産予定とはいえ、他の島が大幅に増産予定の中で奄美大島は微増。生産量はまだまだ低迷しており、生産量回復が第一。会社としても採算に合う生産量が必要で、目指すは3万㌧以上。関係者のみなさんの一層の努力・支援をお願いしたい」とあいさつ。朝山毅市長と徳田康光龍郷町長が農家や関係者に対して激励の言葉を述べ、安全操業と来期産の収量確保を祈願した。

同事業所によると、初日の搬入量は約303㌧。平均甘しゃ糖度は14・6度で、最高糖度は16・2度、最低糖度は11・5度だった。

2月6日からの5日間と2月25日からの5日間は原料搬入を休止し、春植えと株出し管理作業を推進する。