官民一体で寄主植物撤去

寄主植物のパパイアの果実を撤去する住民ら

まん延防止へ
大和村、11集落で一斉に

 大和村の11集落で10日、ミカンコミバエ種群根絶に向けた寄主植物の一斉撤去作業があった。地域住民や自治体職員が一体となり、軒先に育った自家消費しない果実類を回収したほか、寄主植物の樹木を伐採。ミバエ種群のまん延防止に努めた。

奄美大島ではミバエ種群の侵入・発生以降、今月4日までに859匹の誘殺数が確認されている。同村では昨年9月以降58匹が誘殺され、同12月1日以降は誘殺が確認されていないものの、トラップやテックス板による防除はオスに有効なことから、住民の早期根絶に向けた意識醸成やメス駆除などを目的に、大和村ミカンコミバエ等現地対策本部(本部長・伊集院幼村長)が主催して寄主植物除去を行った。

同村と県で事前確認した各集落内の寄主植物の分布状況を、各集落の区長に通達。住民の許可を得て、自家消費用を除く果実類の回収と管理できない寄主植物の樹木のせん定や伐採方法を統一して実施した。

同村大棚集落では、午前8時半頃から作業を開始。チェンソーやノコギリを使って樹木を切り倒し、在来柑橘=かんきつ=類やパパイア、島バナナなどの果実を回収する姿がみられた。

同村産業振興課は「現在は誘殺数が減少しているが、気温が高くなってきたときが不安。村としてはこのまま誘殺数ゼロが続き、スモモが島外出荷できるのが理想」とした上で、「各集落で一斉に作業することで、住民の根絶に向けた機運醸成と寄主植物の撤去の効果が期待できる。今後も定期的に一斉防除を検討するなど、きちんとした形で対処しなければならない」と話した。

各集落で回収した果実は同日までに、ポンカン、タンカンの廃棄場所となっている村有地に廃棄した。