「越冬」を確認

昨年9月中旬から天城町内に留まり「越冬」したヤツガシラ(山田さん提供)=今月9日(円内は昨年11月19日)撮影

珍鳥ヤツガシラ
天城町に4カ月近く

【徳之島】天城町総合運動公園(浅間)エリアを中心に昨年9月以降、珍しい旅鳥ヤツガシラが飛来したまま年明け後も留まっているのが確認された。徳之島でも春の渡りシーズンには観察できるが、4カ月近く留まった上での「越冬」は、奄美群島では初確認の可能性が高いという。

全長30㌢前後。くちばしは黒く細長く下に曲がり、頭には広げると扇状になる冠羽があるのが特徴。北方で繁殖して冬季南方へ渡る。 日本には旅鳥もしくは冬鳥として少数が渡来し、南西諸島では春の渡りの時期に毎年通過するとされる。

野鳥などの生態を追い続けている天城町浅間在住の自然写真家山田文彦さん(49)によると、町総合運動公園内の芝生で昆虫などを採餌中の同個体を見つけたのは昨年9月16日のこと。だが今回はその後も園地内を中心に留まり続け、年明けの今月9日には公園に近い団地沿いのモクマオウ林内の砂地で確認・撮影した。

ヤツガシラは「徳之島では3~5月に芝生で採餌する姿が目撃できる。毎年渡来するが、秋に観察できるのはまれ」と山田さん。沖縄県石垣島を含め日本各地に「越冬」と思われる記録はあるが、「奄美群島では今回が初確認の可能性が高い」という。