「奄美大島版DMO」構築へ

奄美大島版DMO構築の概要などの説明があった奄美大島観光物産協会の会合

異業種連携、情報発信 2月にも始動 ワンストップサービスも
奄美大島観光物産協

奄美大島観光物産協会(谷芳成会長、159会員)は12日、専門委員会設置・旅行対象者別プロジェクト、奄美大島版DMOの組織構築に関する説明会を開いた。観光客の満足度や再来訪意向の向上を視野に、異業種間の連携や受け皿となる商品作成の必要性などを確認。2月にも同プロジェクトを始動するとともに、今年度末をめどに交通や宿泊、飲食など奄美大島観光のワンストップサービス提供や情報発信などを行う組織づくりの概要を示した。

同協会では今年度から「交通」「宿泊」「観光」「特産」「飲食・食品」の5専門委員会を設置。奄美大島を訪れた観光客が回答した低い再来訪意向率の改善に向け、「大型観光」「趣味型観光」「フリープラン」の旅行形態に対応を目的に、異業種間の連携などを進めていく方針を確認。1月中に会員へアンケート調査を実施し、アイデア集約やリーダー選定を行うなどしてプロジェクトを進めていくとした。

同協会の活動を支える組織づくりとして、国の地方創生上乗せ交付金事業を活用し、3月末までに「DMO組織構築事業」と同組織基盤としての「webプラットホーム事業」を行うことから、事業受託者が概要を説明。

DMOでは島内をつなぐ調整役や外部との情報受発信、マーケティング機能を担い、島内・島外へのワンストップサービスの提供を目指す方針を示した。5カ年計画で1年目は地域での理念共有や人材育成強化など基盤づくり、2年目は商品開発や誘客・集客施策強化など地域内整備等を行い、最終的には収益性を持ったマーケティング組織を実現し、「奄美らしいDMOをつくり、リピーター増を目指す」とした。

島外へ情報発信する手段として、ホームページ上にサイト「あまみっけ。」(奄美景)を開設する。奄美大島が有する風景、情景、背景を柱に、映像に加え食や唄、人などの素材を読み物として伝える記事を掲載して、奄美大島の魅力を伝える。3月に東京・六本木でイベントを開催し、サイトへの誘引や奄美ファン獲得に取り組むとした。

担当者は「DMOやサイトを軸に、将来的に奄美大島観光振興の中核を担い、自走できる組織としての活動を目指していく」と説明した。

メモ
DMO Destination(目的地、着地)、Marketing/Management(売れる仕組みづくり、地域経営)、Organization(組織)の略。地域一体の魅力的な観光地づくりや戦略に基づく一元的な情報発信やプロモーションを行い、観光客の呼び込みによる地方活性化の役割が期待されている。