「フェノロジーカレンダー」作成

集落の行事などをまとめたフェノロジーカレンダーを作った=知名町=

知名町瀬利覚集落 地域の宝考える

 【沖永良部】「ジッキョの宝を探して・活かそう」(知名町役場企画振興課主催)が2日、同町瀬利覚集落防災センターであった。20~80歳代の地元住民20人ほどが参加。季節ごとの行事や遊び、動植物の生態などをまとめた「フェノロジーカレンダー」(季節暦)作りを通して地域の宝を考えた。

 2015年度環境省「エコツーリズム推進アドバイザー派遣事業」を活用し開催。文教大学国際学部の海津ゆりえ教授を講師に招いた。

 海津教授は「地域がつくるエコツーリズム『見つめなおそうシマの宝、伝えようシマの宝』」をテーマに講演し、エコツーリズムに取り組む沖縄県西表島や岐阜県の白川郷、埼玉県飯能市などの事例を紹介。エコツーリズムを始める意義について「多様な担い手が参加できる」「地域の課題も資源になる」と述べた。

 フェノロジーカレンダー作りでは、自然や祭り、農業など七つのカテゴリーに分かれてグループワークを行った。「フシカブ(干し大根)は2月頃だよ」「田植えは、4・8月の2回行った」「ヒグラシが鳴くと秋を感じる」など、各年代が相談しながら暦を完成させていった。最後にカレンダーを披露し、墓正月・サクラ開花(1月)、アオサ取り(2月)川開き(5月)、サトウキビ夏植え・タナガ取り(8月)、黄金水汲み(12月)などと発表した。

 参加した栗尾明里紀さん(26)は「小さい頃から瀬利覚集落で生活し、正月になると川に水を汲みに行くのが習慣だった。カレンダーを作成して、知らないことがたくさんあると感じた。これからも集落のために活動していきたい」と話した。