「サトウキビ学」出前授業

「サトウキビ学」出前授業

常設展示の「サタグンマ」体験(写真上)も交え黒糖づくりで交流=5日、伊仙町喜念小で

出前授業、黒糖づくり(下)

黒糖づくりで交流
徳高総合学科―喜念小

 【徳之島】徳之島高校総合学科・生物生産系列2年生10人の「サトウキビ学」出前授業と、伊仙町立喜念小学校(新原浩校長、30人)の総合的な学習の時間を組み合わせた黒砂糖づくりが5日、同小であった。昔ながらのサトウキビ圧搾機「サタグンマ」(砂糖車)も手押しで再現。伝統産業を知り守ることの大切さを伝えながら交流した。

 出前授業は生物生産系列の「サトウキビ学」(学校設定科目)を通した児童生徒をはじめ地域住民との交流、島の農業を担う産業人育成などが目的。喜念小は校庭の一角に復元展示している「サタグンマ」と「サタヤドリ」(砂糖小屋)を学校名物も活用、毎年、出前授業を受け入れて一石二鳥の交流を行っている。

 原料のキビは学校園で育てた分に保護者や地域住民が持参協力した計約200㌔を使った。児童たちは、本来は畜力に頼るサタグンマの棒を、数人がかりで懸命に回して伝統にふれた。「サタタキ」(砂糖たき)用のキビジュースは機械で搾って用意し、3班に分かれて高校生や保護者、地域住民たちの応援で大なべを使って煮沸。子ども達は煙にむせながらも、しだいに甘い香りを漂わせて炊き上がった黒糖に目を輝かせながら感動。

 煮沸の合間には高校生たちが先生役を務め、全児童にサトウキビ農業の歴史などを楽しいクイズ形式で伝え、合同試食会でもふれあいを深め合った。同系列2年生の保岡元気さん(17)は「自分たちの島の伝統的な基幹作物のことを小学生たちに知って欲しかった。徳之島ダムの水によって農作物の収量も上がり、活気のある島になっていくと思う」と話した。