ザトウクジラ全島一斉調査

ザトウクジラの尾びれを間近で確認する場面も(小湊沖合)=興会長提供=

今シーズンは約70頭
太平洋側の小湊沖合では2頭確認

 奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)は7日、今シーズン(2016年)2回目となる奄美大島ザトウクジラ全島一斉調査を行った。ザトウクジラの来遊シーズンに合わせて、環境省の調査も兼ねて毎年実施。この日は4隻の船で調査を行ったが、ザトウクジラの確認は小湊沖合で1群2頭のみだった。興会長は「出現数はシーズンによって変わる。今年は海に出られない日も多かったので、これからの調査に期待したい」と話した。

 同会は2013年に設立後、奄美大島周辺海域に繁殖のために冬季に来遊するザトウクジラや周辺海域に生息するミナミバンドウイルカの地域個体群の出現・個体識別調査を行っている。今シーズンは1月下旬にも一斉調査を行ったものその日の出現はゼロ。7日現在の出現数は約70頭という。

 ザトウクジラは2~3月が出現のピークと言われており、ホエールウォッチングはシーズン中、島内外から参加者も訪れる人気のレジャーにもなっている。この日の調査では、4隻の船が太平洋側の中部と南部を中心にザトウクジラを探索。海中からクジラの鳴き声は確認できたものの、姿が見えたのは小湊の沖合で1群2頭(12㍍と10㍍)のみだった。

 興会長によると、今シーズンは昨年12月30日に陸上から写真撮影が出来たのが初確認。出現数約70頭のうち、40頭ほどは個体識別が出来ているという。「寒波の影響で海がしけたりなど、なかなか船が出せない状態の日が多い。見られるのも太平洋側の島影が中心で、東シナ海側はほとんど調査が出来ていない。これから気候が良くなり、海が安定したらもっと確認できるのでは」と話した。

 一斉調査は3月にも実施予定という。