「衣」「食」文化の継承活動と、「観光」への活動に向けた意見が出た報告会
県教育委員会が行っている2015年度「地域協働による専門高校活性化プラン」で、奄美高校(満丸浩校長、生徒数528人)が行った「奄美群島世代のバトン~繋=つなぎ=~」の最終報告会が同校であった。同校家政科の生徒たちが、「食」と「衣」の分野で行ってきたこれまでの活動を報告。出席者からは観光面での活動に期待を寄せる意見が出された。
同事業は、地域の抱える課題を専門高校との継続した協働の取り組みのなかで解決を模索するもので、同校を含め県内から3校を選出。同校は「世界自然遺産登録へ向けた経済・文化の保存継承」の課題に同校家政科の生徒たちが中心に行った「食」と「衣」に関する取り組みを紹介。報告には事業に携わった関係者とともに実際に活動した生徒たちも参加し行われた。
4月から始まった活動は島の伝統料理や食材について学び、島の食材を活用した「あまかせ弁当」の作成のほか、奄美大島紬の試着教室や、島外でのPR活動やファッションショーなどを開催。「事業を通し、島外・海外発信に意欲を持つ生徒が出てきた」など、活動による効果を報告した。
報告後は事業に携わった関係者と意見交換。「島外者・外国人への観光案内の方法に生徒たちの発想は期待できないか」、「若い発想からの奄美の『見せ方』への取り組みが活性化するといい」など、活動を評価するとともに、新年度以降の継続した活動に向け、観光面にも生徒たちの発想を期待する意見が出された。
家政科3年で、大島紬関連の取り組みを行った田川果奈さん(18)は「1年を通し、紬の着付けができるようになり、とても成長を実感している。後輩たちも取り組みをただこなすのではなく、積極的に参加していってほしい」と話した。