14年からヒメハブとカエル調査

古見方地区の平野部と山間部で調査を進める西さん、星野君、岡野さん

160201ヒメハブ調査 (2)
見つけたヒメハブはサイズなどを測って記録

20日、佐賀県で発表へ
「調査のたび新しい発見」

 古見方地区の平野部と山間部で、ヒメハブの体サイズと出現するカエル類の調査を続けている奄美市名瀬の西真弘さんと岡野智和さん(大島高校教諭)、星野蒼一郎君(大島高校2年生)。3人は、今月20日に佐賀県で行われる九州両生爬虫類研究会の第7回佐賀大会に参加するため、データ収集に取り組んでいる。2014年から西さんと一緒に調査を続ける星野君は「調査するたびに新しい発見がある」と笑顔を見せた。

 奄美大島では山間部と平野部など環境によって生息するカエル類の種や生息数が異なる。ヒメハブのエサの多くはカエル類で占められていることから、西さんらは各環境でヒメハブの体サイズも異なるのではと、2014年5月30日から調査をスタートした。

 調査方法は車によるルートセンサス法で、古見方地区の平野部と山間部を車で回り、道路上や周辺のカエル類繁殖地で発見したヒメハブやアカマタの体長と体重、オスメスの判別を行うもの。確認位置情報や気象情報なども記録している。

 西さんによると、▽ヒメハブの体サイズはアマミハナサキガエル繁殖地(山間部)では確認個体が大きく、次いでアマミアカガエル・アマミイシカワガエルの繁殖地、平野部カエル類の繁殖地と、カエル類繁殖地ごとに体サイズが異なる▽道路上で確認される個体は全体的に小柄▽アマミハナサキガエルの確認頻度が高い標高250㍍以上の場所では、250㍍以下よりも大きい―などの結果が出ているという。

 西さんは「今回の調査区域に関しては、6~9月はほとんどヒメハブを見ることが出来ず、出現する時期もカエル類の繁殖に合わせているようだ」と説明。アカマタとの関係についてもヒメハブが12月~3月、アカマタが5月~10月と明確に出現時期が分かれているなどとした。

 一緒に調査を進めてきた星野君は新潟県出身。2009年の皆既日食をきっかけに初めて奄美を訪れてから、奄美の生き物に興味を持ち始め、昨年から大島高校に通っている。「09年からほぼ毎年奄美に来ていた。こうして西さんと一緒に調査をすると、毎回同じ結果になることがなく、図鑑に書いてなかったことなども知ることが出来る。今後はもっと身近なキノボリトカゲなどの爬虫類等を調査してみたい」と話した。

 調査は5日まで実施。調査結果などをまとめて、同大会で発表するという。
(油井あづさ)