県予算奄美関連

新年度からのドクターヘリ運航開始に向け、運航委託や医療機器整備の予算が計上された(資料写真)

ドクターヘリ運航へ
奄美空港施設拡張支援も ミカンコミバエ根絶へ取組み

 2016年度の県当初予算案では、奄美関係の新規事業も盛り込まれている。奄美地域へのドクターヘリ運航事業関連予算のほか、奄美空港旅客施設拡張を支援する事業費などを計上。また奄美群島振興交付金関連事業では、航路・航空路運賃軽減や農林水産物の輸送コスト支援などを前年度に続き実施するほか、奄美群島と沖縄発の航路・航空路運賃を助成する交流促進事業も盛り込まれている。

 項目別の主な事業は次の通り。

 【医療・福祉】▽奄美ドクターヘリ運航事業(2億497万8千円)=奄美ドクターヘリの運航開始に向けて、運航業務の委託やヘリに搭載する医療機器等の整備を行う。

 ▽生活困窮者自立支援事業(5636万8千円)=生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者のためのワンストップ窓口「くらし・しごとサポートセンター(仮称)」を設置し、就労や家計管理、子どもの学習支援などを行い、自立を促進する。

 ▽子ども・子育て支援総合対策事業(2億9045万8千円)=認定こども園等の整備や研修などの支援を行い、安心して子どもを育てることができる体制整備を図る。

 ▽児童養護施設退所者等自立支援資金貸付事業(1億4683万4千円)=児童養護施設などを退所して、就職や大学などへ進学する人に対し、家賃、生活費、資格取得費を貸し付け、円滑な自立を支援する。

 【環境】▽サンゴ礁調査研究基盤整備支援事業(2040万円)=世界でも希少なサンゴ礁研究の適地である喜界島でのサンゴ礁調査研究を支援するため、研究施設・設備などへの助成を行う。

 ▽自然公演総点検事業(770万円)=自然環境の保全を図るため、生物多様性保全の観点から重要地域を抽出するとともに、保護地域の見直しを行う。

 【産業】▽産地パワーアップ事業(15億8777万円)=地域の営農戦略で定めた「産地パワーアップ計画」に基づき、意欲のある農業者などが行う高収益作物・栽培体系への転換を図るための農業機械の導入や集出荷施設の整備などを支援する。

 ▽特殊病害虫対策事業(22億7523万4千円、継続)=県内で発生しているミカンコミバエやアリモドキゾウムシなど特殊病害虫のまん延防止と、根絶に向けた取り組みを進めるとともに、侵入警戒調査を実施する。

 【施設改修】▽奄美パーク改修等事業(3866万4千円)=「奄美・琉球」の世界自然遺産登録を見据えた改修を行う。

 ▽奄美空港旅客施設拡張支援事業(2億6044万9千円)=同空港における観光客などの受け入れ体制強化を図るため、旅客ターミナルの拡張を行う事業者に対し、整備に要する費用の一部を支援する。

 【奄美振興】▽奄美・沖縄連携交流促進事業(6396万6千円)=奄美群島と沖縄の住民などの交流を促進するため、奄美群島発と沖縄発の航路・航空路運賃の一部を助成する。

 ▽離島地域おこし団体事業化推進事業(787万円)=離島の地域おこし団体による自立的・安定的な活動の継続が図られるよう、商品開発や販路開拓などの事業化に向けた取り組みを支援する。