ストラディバリウスで演奏し会場を魅了する高嶋さん
演奏・トークに喝采
至高の「音楽」で魅了
旋律と言葉。会場は2時間、「音楽」による感動と笑いに支配された――。
ヴァイオリニスト・高嶋ちさ子さん(47)のライブツアー「Strings on Fire」の奄美公演が13日、奄美市名瀬長浜町の奄美文化センターであった。クラシックや映画音楽など、アンコールを含む13曲を演奏。演奏や曲間のトークなど、終始、満員の観客を魅了し、会場は感動に包まれた。
同ライブは奄美市市制10周年記念自主事業として企画。前売券完売後も、当日券を求め会場に多くの人が足を運び、立ち見客が出るほど盛況を博した。
演奏形態は高嶋さんと同人プロデュースのユニット「男組」(ピアノ、ヴァイオリン、ビオラ、チェロ)によるピアノ五重奏。ライブでは「知っている曲を短い時間で表現する」という高嶋さん。力強い合唱部分で有名なベートーベンの「交響曲第9番『歓喜の歌』」をピアノと弦楽器により優美に表現。バッハの『二つのヴァイオリンのための協奏曲』のジャズアレンジでは、聴き入る会場の一人一人に、驚きと感動の空気が伝播した。
一方、合間のトークパートで雰囲気は一転。「よねや、うがみんしょーらん」のあいさつから観客の空気をつかむと、テレビなどで知られる軽快なトークで、会場は常に笑いが起こった。
ヴァイオリンの奏法や技法について話すと、高嶋さん所有の1765年製ストラディバリウス「ルーシー」(推定約2億円)と安価品との音色当てを実施。結果、会場の約4割と「男組」のメンバー全員が間違える事態となったが、高嶋さんは「ストラディバリウスは演奏者の思ったままの音色を奏でてくれる夢のようなツール」と話し、サラサーテの『ツィゴイネルワイゼン』を演奏。会場から惜しみない拍手が送られた。