デジタル方式へ完全移行

各分署・分駐所に向けて無線開通送信を行った朝山市長

消防救急無線運用開始式 通信の秘匿性向上

大島地区消防組合
大島地区消防組合は2日、同組合消防本部で「消防救急デジタル無線設備運用開始式」を行った。電波法関係審査基準改正によるアナログ方式からデジタル方式への移行で、今年度から全体的に運用を開始。式ではテープカットや各分署、分駐所に向けた無線開通送信が行われた。

消防組合管理者の朝山毅奄美市長は「デジタル方式導入により、管内の連絡体制が強化される。ドクターヘリによる救命率の増加と合わせて、安心安全のまちづくりに努めていきたい」とあいさつ。電波伝搬調査や整備工事などを行った(株)富士通ゼネラル九州情報通信ネットワーク営業部と(株)奄美通信システム、(株)建設技術研究所九州支社の3社に感謝状を贈呈した。

消防救急デジタル無線は消防救急活動の高度化や電波の有効利用の観点で、アナログ方式からデジタル方式へ2016年5月31日までに移行することとなっている。同組合では、11年度からデジタル化に向けた事業を開始。総事業費は11億700万円で、地方債(緊急防災・減災事業債、辺地年事債)などを活用。整備内容は基地局無線装置が6基地局、車載型移動局47局、携帯型移動局54局、可搬型移動局3局(うち2局は網野子トンネル)、卓上型固定移動局9局。無線チャンネル数は管内で主に利用される活動波が計3波、県内全域など広い範囲で活用する共通波が計4波(統制波3波、主運用波1波)となっている。

デジタル化の主な特徴は、▽通信の秘匿性向上(一般の無線機では傍受できない)▽無線チャンネルの増加▽設備が大きく、多額の費用がかかる―など。

同本部通信指令課長の皛納正人司令長は「工期は3月18日までだったが、工事が順調に進み、設備は2月いっぱいまでで完成したため、こうして開始式を行うことが出来た」と説明。同組合では最初に、名瀬地区が2014年12月に運用を開始し、順次各分署・分駐所でも移行。管内では15年度に完全移行が完了した。